2011/07/11
■ [*band][スケッチ]麗狼『ロイコール』
正直今までで一番はっちゃけた二次設定やもしれん。
ヴァララウカールに名を連ねた者達の中でも、彼はかなりの後期に加わったマイアである。少なくとも彼は、ウトゥムノを破壊されて至福の地の虜囚となったメルコールをその眼で見たことがあった。至福の地を追放された後に、当時メルコール不在の勢力を代行で切り盛りしていたアンナタールに取り入り、そこで初めてウドゥンの焔による洗礼を受け入れたのだ。
彼がアマンを追われた罪状は淫蕩であった。メリアンに並ぶほど麗しいと言われた容貌と、聞く者をうっとりとされる声色に反し、彼の性情は飛びぬけて堕落していた。マイアとエルフの男女と問わず彼は誘惑し、退廃的な快楽に落とし込むころを何よりも楽しんだ。イルーヴァタールが男女一対でつがうべきとの命を嘲り、男同士、女同士、何人とでも交わった。
彼の冒涜的行為の中でも飛びぬけておぞましかったのは、魂をマンドスの館に預けて眠るエルフの肉体をひたすらに辱める行為、そして自らが異形の四足獣となって女と交わることであった。彼との情交で産み落とされた子はそれと同様の異形で生れ落ち、かくして彼の行為は明るみにでて裁かれた。彼の哀れな子供達はオロメとヴァーナに保護された。
その後アングバンドに下った彼は、アンナタールと意気投合し彼の伝令使、側近を務めることになる。元より一夫一妻の概念なく子を成していたヴァララウカールの間でも彼は情交し、やはり同様に異形を産み落とした。彼は後に至福の地の民の間では「ドラウグルイン」と呼ばれ、彼の至福の地での私生児は「犬」と、そしてアングバンドでの子は「狼」と呼ばれるようになったのである。