ヴィーヤウトゥムノとは
「ヴィーヤウトゥムノ/Viryautumno」とは、〈混沌の宮廷〉に属する貴族となったロムンクァリィ/Romunqualyの伯爵号であり、同時に、彼女が創造した時空に広がる封土の名である。

ロムンクァリィは、ウトゥムノ神族の女神(ヴァララウコ)の一柱であり、運命と死、政治と戦争を司っている。
アルダと呼ばれる世界の上古時代、その末期の戦いの最中に、ウトゥムノの盟主にして神々の長兄たるメルコールは「世界の楔」となり、〈遍在化〉という形で姿を消した。その盟主を永遠に喪ったウトゥムノの神々(ヴァララウカール)は、やがて内紛に陥っている。
ロムンクァリィはこの内紛の最中で、主君にして姉でもあった「黒き地母」モルナリル・ウルバンディを敗れ滅される形で失った。副官として敗戦処理を全うした彼女は、メルドールの神王アンナタールとの条約に従ってアルダを去ったのだった。
無辺の多元宇宙を長く彷徨った末、彼女はイェンダーの導きの下、皮肉にもかつての故郷たる「鉄獄」にて〈サーペントの瞳〉の一つを手に入れている。それは、新たな世界の創造を可能にする莫大な力の源であった。その力の投資をもって生み出した時空の一つが、ヴィーヤウトゥムノである。
ヴィーヤウトゥムノは、一種の「地獄界」である。
他の次元で紛争や貧困の中に命を落としたモータル――死すべき者たち――の多くが、ロムンクァリィの神性に導かれ、この世界の新たな住人となる。また、かつての縁故によるものか、アルダで「堕落者」と見なされた者たちの一部も、彼女の御元へ送られてくるという。

重ねて言う。ヴィーヤウトゥムノは、まさに地獄である。
災難に満ちたこの世界では、彼女の末裔たる獄卒共の下、住人たちには数々の責め苦が課される。
週四十数時間を優に超える絶え間なき残業代付き労働。インフラを維持するための、きつく、汚く、危険な3Kそのものなエッセンシャルワークの数々。絶えずテクノロジーの刷新に追われ、ついていけぬ者は村八分にされる、過酷な知的競争。
リストラや企業の倒産によって、こうした責め苦から一時的に解放されることもある。しかし、待ち受けるのは失業による経済的困窮だ。失業保険の給付期限は迫り、長期無職罪の適用も近づく。その前に、次の職という責め苦を自ら見つけなければならない。
これほど逃げ場のない地獄は、多元宇宙において類を見ないだろう。
そして、ロムンクァリィこそは、まず第一にこの地獄の君主たる女伯爵である。同時に、ヴィーヤウトゥムノの主要産業の一つたる傭兵業の長──「鬼畜大佐」と呼ばれる最高軍事指導者であり、さらにはまた国内多数の暗黒メガコーポのCEO、相談役あるいは大株主として。数々の形で君臨しているのだ。
このサイバーパンクな資本主義的地獄を「解放」すべく、赤い原始共産天使たちは数十度にわたって戦いを試みた。しかし、そのことごとくが、彼女とその官僚たちの狡猾な策によって無惨に打ち破られてきたのである。
そして、この地獄のGDPは、彼女の恐るべき支配のもと、数千年にわたって年平均約4%の成長を続けている。
なんたることか!この地獄はいずれは多元宇宙の全てにその魔の手を伸ばすであろう!今のうちに逃げろ!