ウディンダイは、女伯爵ロムンクァリィの長子にして正式なる夫その人である。言わずもがなの神話的1×2インブリードに他ならない。
ヴィーヤウトゥムノの創始者たる女神二名は、互いが男女として直接子を成すことができないことを最初に憂慮し、外に夫を求めて外戚に口出しされる懸念を避けた。故に先にそれぞれが適当な子種で男児を生み、さらにそれぞれと交わることで両女神の総血量七十五パーセントを維持することを狙ったのである。
この冒涜的交わりにより今日ヴィーヤウトゥムノの四大デーモン・クランは形成されている。
ウディンダイとロムンクァリィの間にはウサチャン=デーモン・クラン、ウディンダイとウルウェンの間にはサラリマン=デーモン・クランの始祖となる孫世代らがそれぞれ十数柱ずつ産み落とされた。
ウディンダイ自身はと言えば、多元宇宙の中でも圧倒的破壊者として有名なサイバーデーモンを種として生まれている。
その生誕はロムンクァリィがとある成り行きから、サイバーデーモンを逆レイプするという極めて剣呑な経緯であった。ともあれ運命と死、政治と戦争の女神の胎から、機械的憎悪の種を通じて生まれた子は、まさに多元宇宙中の殺生を行使する力の司「兵器の悪魔」となることは必定と言えることであっただろう。
ウディンダイは、母と叔母にねっとりと育て上げられ、「憧れ」を決して止めない、好奇心溢れた知的遊戯を楽しむアーク・デーモンに育った。
彼にとっては個人を、部隊を、軍隊を、国家を、惑星を、やがて宇宙までも吹き飛ばす絶大な火砲こそがロマンであり、個人を、臓腑を、細胞を、遺伝子を蝕み、時に破壊し、時に変容させるバイオウェポン、ケミカルウェポン、そしてナノウェポンこそはそのスパイスである。
彼は多元宇宙中からあらゆる「クソヤバウェポン」を蒐集し、ヴィーヤウトゥムノの最奥機密機関「ケイオス・アーセナル」にそれらを保管している。そして、日に日にコレクションをにやけ顔で眺めながら、それらのさらなる改良を飽きることなく重ねているのだ。それらは取りも直さず、母ロムンクァリィの軍事や政略にも多大な貢献を成している。
稀に、それらの実験の思わぬ結果からヴィーヤウトゥムノにそれらが解き放たれ、被害を及ぼすことがあっても、そんなことは功績と比べれば実に些細な事である。

