Viryautumno

About

鬼畜大佐『ロムンクァリィ』

稀によく描いてきているウチのバルログアーチャー♀

稀によく描いてきているウチのバルログアーチャー♀ · 2021/07/19

鬼畜大佐『ロムンクァリィ』変身前/後

鬼畜大佐『ロムンクァリィ』変身前/後 · 2017/09/11

既に概要で述べたとおり、ロムンクァリィはヴィーヤウトゥムノの創始者であり、建国以来、変わることのない最高支配者である。

彼女は〈混沌の宮廷〉でも最古にして有数の貴族、ヘンドレイク公爵家の封臣となることで、今日の権力基盤を確保した。

多元宇宙の最大勢力の一つたる〈混沌の宮廷〉にあっては、さしもの彼女も、上位貴族たちに翻弄される駒の一つに過ぎない。しかし、その駒が何とも捨てがたく、代えがたいことが、彼女の地位を盤石にしているのもまた事実である。

元をたどれば、彼女はアルダを故郷とする神格(アイヌア)であった。父なる神イルーヴァタールの子神の一柱――本人の自虐を借りれば「糞親父の杜撰なポエマー創世にぶん回された、無様なアダルトチルドレンの一柱」である。

父神イルーヴァタールに従うヴァリノール神族と、長兄神メルコールに従うウトゥムノ神族。その対立の中で彼女は長らく、日和見かつ消極的にヴァリノールの側についていた。

当時の役目は、いわば「エルフの死神」であったという。

多い日には数千名にも及ぶエルフの死を、たった一柱で看取り、その魂を彼岸たる〈マンドスの館〉へ導く。万年にわたるその労苦は、神なる者にとってすら過酷そのものであった。

彼女は上司たるマンドスに何百度となく陳情を重ねた。しかし、ついぞ神員の補充も、福利厚生の改善も行われなかったという。

マンドスは死者の増加を「本来の計画にない事態」として扱い、恒久的な神員補充を認めなかった。計画にない死者は、しかし毎日やって来た。その間も、ヴァリノールの静謐な美と、上司の鑑賞の時間は守られていたという。

上司のその様に苛立ちつつ、疲労困憊を極めた彼女は、栄養補給のためやむなく、しばしばエルフの魂をちょろまかしては喰らうようになった。ところが、その所業を同位たる男神オローリンに見咎められ、法廷へ引っ立てられたことで、積もり積もった不満はついに爆発した。

彼女はヴァリノールを出奔、メルコール率いるウトゥムノ神族へと帰順した。

皮肉にも、その時こそ彼女は初めて、己の神性が単なる「死神」の職掌に収まらず、マンドスにも劣らず「運命」を、そして「政治」や「戦争」をも統べうることを理解した。長兄のもとで、彼女はようやくその力を十全に発揮し始めたのである。

やがて、ヴァリノールとウトゥムノの最後の戦いを経て、メルコールは〈世界の楔〉となり、姿を消した。その後、ロムンクァリィは彼の冥妃、「黒き地母」モルナリル・ウルバンディの副官として、その権勢を支えた。

しかし、ウルバンディは政敵にして怨敵たるアンナタールとの内紛に敗れ、滅びた。彼女のもとで築いてきたものも、すべて御破算となった。

末期のウルバンディは愛しき夫メルコールを失ったために変質し、狂気に陥ってしばしば暴挙を繰り返していた。ロムンクァリィはその都度諫言を重ねたが、かえって罰を受けることさえあった。遂には彼女を見放し、アンナタールの勝利を認めざるを得なくなったのであった。

副官として敗戦処理を全うした彼女は、条約に従い、静かにアルダを去った。

その後の遍歴の末に〈サーペントの瞳〉を得た彼女は、新たな時空を創造した。こうして生まれた封土こそ、ヴィーヤウトゥムノである。

かつて他の神々に仕えた女神は、ここに自らの封土を持ち、新たな神統の母となったのであった。