2011/04/01
■ [ファンタジー][スケッチ]先種種族としてのエルフに思う
有象無象のFT作品に登場するエルフに対して、トールキンエルフの扱いは別格扱い。無論今日のエルフ像の根本と言える存在ですし、その他諸々の描写から見てもしかりとは思っています。ですが、「ケルトや北欧の妖精神達が、小妖精のような矮小になってしまったものを再び復権させた」とかいう評価についてはいささか疑念を抱かずにいられない。
この前フェアノールの話でも少し話したし、また別の話でまとめるかもしれんのですが、結局彼等(特にシルマリル作中の彼等)は本来のケルト、北欧神話で描かれてる姿と比べると、やはりキリスト教的価値観にファックされ、去勢されてしまった印象が拭えない。人間に先立った種族であるからこそ、そこの所の拭いがたい因業までももっと色濃く描いてもいいのでは。その点、準エルフ的なECシリーズのメルニボネ人や、ウォーハンマーのハイエルフ、ウッドエルフ、ダークエルフはいかにもそんな感じでよろしいですな。
自分としては、トールキンがどう現実と混同するなと言っても抱いているとしか思えない蔑視の対象にして、その裏返しにある最古文明の所在地として中央アジアに注目したい。そこんとこの文化をモデルにした架空世界の先種種族がCRAUZELのワティリとかトゥーラだったりするのですが、いずれその辺をもっとしっかりと描写した作品を手がけてみたいものです。