トップ 最新 追記

SikabaneWorksが関係するコンテンツ(主に*band系ローグライク)の開発近況・補足から全く個人的な雑記まで。

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2011/05/01

[ファンタジー]トールキンの「逃避の文学」の本質はなにか

逃避という言葉を誤用する人びとが好んで「現実」と呼ぶもののなか、ふつう逃避は明らか
に役に立つし勇敢な行為ですらあると思う。実生活でなかなか逃避はいけないと言いにくい
し、むしろ逃避に失敗する方が多い。だが、文学批評においては逆に、逃避の物語として優
れているほど評価は低いようなのだ。
これは言葉づかいに間違って、頭も混乱している。自分が牢獄にいると気づいた人間が外に
出て家に帰ろうとしたからといって、なぜ軽蔑されなければならないのだ。脱獄できない場
合、看守や監獄の壁以外のことについて考えたり、話したりしてなぜ悪い。外の世界が直接
が見られないからといって、囚人にとって外の世界が存在しなくなるなんてことはあるはず
がない。
こんなふうに批評家たちは言葉を間違って使う。そもそも言葉の選び方をまちがってたうえ
に、さらに自由を願う脱獄者と脱走者の逃亡をわざとごっちゃにする。これではまるで政党
スポークスマンと同じだ。独裁者ヒットラーの帝国やほかの帝国でも、苦痛のあまり亡命し
たり政治批判をしただけで、裏切り者のレッテルを貼られたのと同じではないか。
おなじやり口で、批評家連中はもっと混乱させて相手を侮辱してやろうとする。脱走者の逃
亡だけでなく、真の〈逃避〉とその仲間である〈嫌悪〉〈怒り〉〈非難〉〈抵抗〉まで十派
一絡げにして、物笑いの種にする。囚人の脱獄を脱走者の逃亡とごっちゃにするなんて、愛
国者のレジスタンスより売国奴の味方するようなものだ。それなら愛する祖国が裏切り者を
黙認したり褒めたりするようになってもいいのか、といってやるしかない。

J・R・R・トールキン『妖精物語の国へ』(杉山洋子訳)

概して比喩表現というのは諸刃の剣で、事を非常にすんなりと人に理解させる究極の近道になりえる一方、いらぬ誤解を招いたり、あるいは自分の弱点や表に出しがたい本性を馬脚に出してしまうことがある。

トールキン教授は特に指輪物語中において、その効用の良い方をガンダルフに、悪しき方をサルマンに押し付けようと躍起になっている節を感じるが、実際のところそれは同一の物に過ぎないことを見過ごしてはいないか。トールキン教授と同じように疲れ果てた人間には、この調子に対してしばしば同情的になりえる。しかし、自分に言わせればこうだ。

世の中は常に混沌としていて、最初から彼らの身の回りに己を縛るものでもなければ自由にするものもない。逆に言えば無数のものを少なからず選択して、引きずり出して身につけられる混沌を浮かんでる中で、自ら牢獄や鎖を選んで、それで自分が囚人だと思い込んでいる。

それだけなら勝手にしていればいいのだが、それを尻目に混沌から自分の望むもの引き出したり、あるいは意図外のものを引き出しながらもそれに親しんでいる者達に大して、馬鹿だとか鈍感だとか独裁者の手先だとか、挙句売国奴などと、まるで検討違いの罵倒をしているに過ぎない。一番性質の悪い被害妄想に陥っている証拠だ。

最後に至っては(よりによって自分の作品に寓話的要素がないと重ねてしつこく言っている人間が)今となっては半世紀以上使われ、上記引用元が発刊された1964年においても陳腐になりかかっているだろう「悪魔」の表現を他人へ無闇に浴びせている。

 結局のところ、トールキン教授は自分を批判する者が自分よりも鈍感で洞察に劣っていると見なしている時点で、既に見誤っている。教授はこの罵倒を重ねる以前に自然や伝承の中に「本物」を見出すことの肝心さをしつこく繰り返しているが、人工の技がそもそもその「本物」を通じて生まれた、それと同等の「本物」であることを認めようとはしない。

 コンクリートの壁、ダンボールの多重構造、エンジンのシリンダー。それらもまたトールキン教授自身が崇拝する自然から、代々の学を志したものが見出したものであって、同じ「本物」が潜んでいる。むしろ、人間の限りある感覚で掴み切れないものを数式や論理で拡張して得たもの成果だ。それはただ自然を見て、情緒を感じるだけとは次元が違う。その拡張的な感覚で「本物」を見た時のエクスタシーは本来の自然を見ることをなお包含して、人間の意気に通じるものだ。

 何も科学技術に適ったものではない。まさにカオス系である社会経済の中で新たなビジネスを見出した時。軍隊、国家、企業からサークルに至るまで、人の和を調律せしめた時、あらゆる現代の人為人文の中にもこの「本物」はある。だが、トールキン教授はそれを認めない自分の預かりしらぬ「本物」があることから、まさに逃避している。彼の逃避の本質には多分にこういう側面を含んでいるのである。


2011/05/02

[ニコ厨]911とFlash黄金時代

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110502/t10015669771000.html

ビンラディン殺害のニュースを聞いて、往年の911事件の衝撃と共にHDDの片隅に保存していたこいつらを引っ張り出したのは多分自分だけじゃないと信じる。

まさにFLASH黄金時代だったあの頃と21世紀はなからの衝撃光景にノスタルジーを感じるとこまで来てしまった。やはり自分達の世相は加速度的に進んでるのではなかろうか。


2011/05/03

[*band][ファンタジー]Thuringwethil, the Lady of Illusive Shadow 'V'

Thuringwethil

「レイシアンの歌か…今思えば、よくもここまで美談に取り繕ったものよ」
 青のアラタールの抑揚は明らかに、羊皮紙に描かれた詩を小馬鹿にするものだった。
「だが、限度というものがあるぞ。いかに白亜の韻律に塗りこめようともその異臭は消
しようもない。考えてみるがいい、たかがエダインの男と半マイアの女がフェアノール
の一族にも成せなんだ偉業を成す…口あたりのいい話だが、有り得ると思うのか?一つ
しか取り戻せなんだのは運命ゆえ?白々しいことだ。何よりも不死の者がなぜ人の死に
至ったのだ?愛する人の子の命と引き換えに?冗談もほどほどにしておけ」
 詩文を破り捨てるアラタールの声には、さらに底知れぬ怒りが加わっていた。
「スリングウェシルの名が何たるかを知らぬものよの。東方に広がる無辺の大地を輩の
馬達と駆け巡った私の知る限り、あの女はまだ生きている。否、全てがあべこべの話、
この時より生まれたのだ。神々しいまでの淫蕩と退廃を司る性愛の神、ウルクとアヴァ
リの快楽の守護者。あらゆるものとまぐわう暗き女。メルコールはあの半マイアの女か
らその影を引きずり出し、己が愛妾に加えたのだ」

2011/05/04

[歴史][小説]やる夫が葉隠武士になるようです

個人的に葉隠を最初に知ったのは、赤塚不二夫センセの漫画解説本だった。そいつが抽出している密度の濃い箴言をいくつも思い出しつつ、隆慶一郎作品にもっと振れたいと思っていた自分には良い取り掛かり。しかも、江戸初期の諸々の歴史的事情や出来事までをおさらいまでやれるという一粒で三度おいしい「やる夫」。忙しいしやりたい事が多すぎるから、あまり数は読めない分こんだけ濃い話は本当にありがたい。

[*band][ファンタジー][スケッチ]Ogress Ulbandi

すっかり巨女や10頭身余裕超えのムキムキマッチョマンの変態絵を晒すことの増えた自分であるが、単純に性的倒錯に性的倒錯に身を委ねてしまうのではなく、異形を異形と深く認知した上でそれを赴き深く描くことこそが昇華の大事な方向性なのではないかと、こういう絵に魅せられるたんびに思うのでした。とりあえず新しいペンタブも手に入ったのでさらに精進したい。

Ulbandi


2011/05/05

[D'angband/開発]D'angbandテストプレイ part5 〜CRAUZELの同性愛エルフさん2〜

地味に名前の字数が変愚より増えているのがお分かり頂けるだろうか。なんかボルドールがいい塩梅に強くなってるので、楽しみつつテストプレイ中。

  [D'angband 0.0.0 キャラクタ情報]

 名前: 普通のカーリー=エルラード
 種族: エルダール
 性別: 女性              年齢   5286歳 身分  96 体格  12  腕力  24.0
 職業: レンジャー        身長      195cm 体重       94kg  知能  25.0
 魔法: 自然, 仙術        レベル    18/27 神格   なし[ 0]  賢さ  11.0
 信仰: (なし)            HP  203/  203 MP   82/   82  器用  24.8   25.3
 権能: (なし)                                             耐久  25.9
 善     45  悪     10  秩序   45  混沌   10    天秤   10  魅力  17.0   18.0

 打撃修正(右手)  (+20,+6%)                           打撃攻撃  :超越
                                                     射撃攻撃  :超越
 打撃回数              3+0                           魔法防御  :超越
 平均ダメージ         39+0                           隠密行動  :卓越
                             経験値           9259   知覚      :卓越
 射撃攻撃修正    (+14,+2%)   最大経験         9259   探索      :卓越
 射撃武器倍率        x2.06   次レベル        10080   解除      :卓越
 射撃回数             1.72   所持金           6041   魔法道具  :超越
                                                     掘削能力  :卓越
 AC  [22,+25] 加速    (+0) 日付      8日目 18:04
                             プレイ時間   01:24:36   赤外線視力:20 feet


                         (キャラクターの生い立ち)
          あなたはテレリ族のエルフの王の幾人かの子供のうちの一人で
          す。あなたは明るいグレーの瞳となめらかな黒髪を持ち、白い肌
          をしています。


          …あなたは現在、 イェーキン にいる。


 種族: エルダール                                              能力修正
 性別: 女性            能力    基本 種 職 性 装   合計   現在  abcdefghijkl@
 職業: レンジャー      腕力 :  18.0  2  2  0  2   24.0         .............
 信仰:                 知能 :  18.0  3  2  0  2   25.0         .............
 レベル: 18/27         賢さ :  10.0  3  0  0 -2   11.0         .............
 HP  : 203/203       器用x:  20.3  3  1  0  1   25.3   24.8  .............
 MP  : 82/82         耐久 :  21.9  2  1  0  1   25.9         .............
                       魅力x:  13.0  3  1  0  1   18.0   17.0  .............
         /)}== ~((] ]             /)}== ~((] ]                 /)}== ~((] ]
         abcdefghijkl@            abcdefghijkl@                abcdefghijkl@
 耐酸  : +............    耐轟音: .............    加速      : .............
 耐電撃: .......+.....    耐地獄: .............    耐麻痺    : .............
 耐火炎: .............    耐因混: .............    透明体視認: ............+
 耐冷気: .............    耐カオ: .............    経験値保持: .............
 耐毒  : .............    耐劣化: .............    警告      : .............
 耐閃光: ............+    耐恐怖: .............    遅消化    : .............
 耐暗黒: .............    反射  : .............    急回復    : .............
 耐破片: .............    火炎オ: .............    浮遊      : ...+.........
 耐盲目: .............    電気オ: .............    永遠光源  : .............
 耐混乱: .............    冷気オ: .............    呪い      : .............

             /)                 /)}== ~((] ]                   /)}== ~((] ]
             ab@                abcdefghijkl@                  abcdefghijkl@
 邪悪 倍打 : ...    テレパシー: .............    追加攻撃    : .............
 善良 倍打 : ...    邪悪ESP   : .............    採掘        : .............
 不死 倍打 : ...    無生物ESP : .............    赤外線視力  : .............
 悪魔 倍打 : ...    善良ESP   : .............    魔法道具支配: .............
 龍 倍打   : ...    不死ESP   : .............    隠密        : .............
 人間 倍打 : ...    悪魔ESP   : .............    探索        : ....+........
 動物 倍打 : ...    龍ESP     : .............
 オーク倍打: ...    人間ESP   : .............    乗馬        : .............
 トロル倍打: ...    動物ESP   : .............    投擲        : .............
 巨人 倍打 : ...    オークESP : .............    祝福        : .............
 溶解      : +..    トロルESP : .............    反テレポート: .............
 電撃      : ...    巨人ESP   : .............    反魔法      : .............
 焼棄      : ...                                 消費魔力減少: .............
 凍結      : ...    腕力維持  : .............
 毒殺      : ...    知力維持  : .............    経験値減少  : .............
 切れ味    : ...    賢さ維持  : .............    乱テレポート: .............
 地震      : ...    器用維持  : .............    反感        : .............
 吸血      : ...    耐久維持  : .............    太古の怨念  : .............
 カオス効果: ...    魅力維持  : .............


  [オプション設定]

 保存モード:         ON
 小さいダンジョン:   ENABLED
 アリーナ:           ENABLED


  [帰還場所]

    イークの洞穴:  15 階
    運命の大迷宮:  16 階


  [クエスト情報]

《達成したクエスト》

  『トラのホッブス』                       (  6階)            - レベル16
  スナガの族長『ラグドゥフ』               ( 12階)            - レベル17

《失敗したクエスト》

  なし


 闘技場:  0勝


  [倒したモンスター]

16体のユニーク・モンスターを含む、合計961体の敵を倒しています。

《上位10体のユニーク・モンスター》
  スナガの族長『ラグドゥフ』               (レベル 16)
  禿竜洞主『朶思大王』                     (レベル 11)
  南蛮人『帯来洞主』                       (レベル 10)
  ボルドールの息子『オルファックス』       (レベル 10)
  『トラのホッブス』                       (レベル 10)
  『ボーシン』                             (レベル 10)
  東夷『ブロッダ』                         (レベル  9)
  チャージマン『研』                       (レベル  8)
  コボルド・ロード『ムガッシュ』           (レベル  7)
  ジュラルの『魔王』                       (レベル  6)


  [プレイヤーの徳]

属性 : 中立にして善

[然]の対極
[節]の具現者
[活]の小徳者
[調]の中徳者
[識]の高徳者
[勇]の敵
[犠]の小徳者
[勤]の具現者


  [キャラクタの装備]

a) 溶解のビークド・アックス (2d6) (+6,+3)
b) 革製ラージ・シールド <--> [6,+6]
c) ショート・ボウ (x2) (+0,+2)
d) 浮遊の指輪
e) 探索の指輪 (+3)
f) (なし)
g) 真鍮のランタン(2722ターンの寿命)
h) 耐電の鋲付硬革よろい <--> (-1) [7,+7]
i) クローク <--> [1] {並}
j) 鉄ヘルメット <--> [5,+6]
k) (なし)
l) 硬革ブーツ <--> [3,+3]


  [キャラクタの持ち物]

a) 自然の魔法書[野性の召喚] {@ma!k}
b) 2冊の 仙術の魔法書[入門書] {@me!k}
c) 8つの 食料
d) 7つの 油つぼ
e) 3服の ヒーローの薬 {75%引き}
f) 10服の 重傷の治癒の薬
g) 15服の 致命傷の治癒の薬
h) 14巻の ショート・テレポートの巻物
i) テレポートの巻物
j) 4巻の 帰還の詔の巻物 {25%引き}
k) 3巻の パニック・モンスターの巻物
l) 鑑定の杖 (20回分) {@1}
m) 鑑定の杖 (6回分) {@1}
n) トラップ感知の杖 (12回分)
o) 91本の 矢 (1d4) (+0,+0) (9/15) {@1}
p) 30本の 矢 (1d4) (+6,+5) (19/32)


  [我が家のアイテム]

 ( 1 ページ )
a) 理力のビークド・アックス (2d6) (+6,+10) (+1)
b) オークスレイヤーの鉛詰めメイス (3d4) (+3,+5)


  [チェックサム: "aea90fa83e441ce8ec"]

[D'angband/開発]D'angband製作日誌9

ここを放置しっぱなしなのでとりあえずスクリーンショットを上げる。 今までいまひとつ具体例を挙げかねてきたが、プレイヤーとモンスターの能力値の対称化がどんなものかを表現する例として。数値的にまだ色々おかしいのは実装途中なので気にしないで欲しい。

ScreenShot


2011/05/06

[CRAUZEL]だいたいあってる

なんか「ワティリ」でググってたら、フリーソフト超激辛レビューでレビュー投稿をしてくださった方がいた事を今更知ったので、レビュー紹介させて頂く。

http://gekikarareview.com/review_slg/slg_toukou011.html#06

聖教圏の中には 魔物がすむの
頼れる仲間は 皆死んでる(屍霊兵的な意味で)
魔道に賭けた青春 でも皆目が死んでる(絶望的な意味で)
私と貴方は 友達じゃないけど
私の友達と まとめて撃退
だいたいそんな感じ CRAUZEL日和

こういうネタ振ってもらうだけでも本当うれしいです。さらに管理人さんのコメントで、

説明書を見る限り、「CRAUZEL」の登場人物は、どれもこれも思想から人間関係まで
ねじくれた奴らばかりです。このゲームでは会話シーンはほとんど無く、指令→ク
リアのルーティンを淡々と進める流れになっています。もし、初っ端から会話シー
ンがあったら…あんなことやこんなこと、よりダークさが増していたに違いありま
せん。

と言ってもらえてるのも、実に励みになるもので。いずれはっきりと日の眼が見せられる時がくるまでの滋養にしたいと思っています。

[ニコ厨]なんかまた2525ヒット踏んでしまったので紹介

ハイドライドやヴァリスとかリア消時代にMSX入手して遊んだことがあるので割と思い入れがある。


2011/05/07

[*band]D'angbandテストプレイ part6 〜CRAUZELの同性愛エルフさん3〜

とりあえずボルドールを抹殺して、Lv20まで上げる。変愚なら手馴れたプレイヤーだとLv30まで2〜4時間程度と思われるが、今後の経験値調整や各種障害を少し厳しくして6〜8時間程度を目安にしたいとは思う。

  [D'angband 0.0.0 キャラクタ情報]

 名前: 普通のカーリー=エルラード
 種族: エルダール
 性別: 女性              年齢   5286歳 身分  96 体格  12  腕力  25.0   26.0
 職業: レンジャー        身長      195cm 体重       94kg  知能  26.0
 魔法: 自然, 仙術        レベル    20/27 神格 ------[--]  賢さ  12.0
 信仰: ------            HP  230/  230 MP   97/   97  器用  29.1
 権能: ------                                             耐久  27.9
 善     45  悪     10  秩序   45  混沌   10    天秤   10  魅力  17.0   18.0

 打撃修正(右手) (+27,+15%)                           打撃攻撃  :超越
                                                     射撃攻撃  :英雄的
 打撃回数              5+0                           魔法防御  :超越
 平均ダメージ         87+0                           隠密行動  :卓越
                             経験値          12561   知覚      :良い
 射撃攻撃修正    (+18,+2%)   最大経験        12561   探索      :普通
 射撃武器倍率        x2.08   次レベル        15120   解除      :卓越
 射撃回数             1.80   所持金          14915   魔法道具  :超越
                                                     掘削能力  :大変良い
 AC  [22,+29] 加速    (+0) 日付      9日目  0:49
                             プレイ時間   01:36:22   赤外線視力:20 feet


                         (キャラクターの生い立ち)
          あなたはテレリ族のエルフの王の幾人かの子供のうちの一人で
          す。あなたは明るいグレーの瞳となめらかな黒髪を持ち、白い肌
          をしています。


          …あなたは現在、 イェーキン にいる。


 種族: エルダール                                              能力修正
 性別: 女性            能力    基本 種 職 性 装   合計   現在  abcdefghijkl@
 職業: レンジャー      腕力x:  18.0  2  2  0  4   26.0   25.0  2............
 信仰:                 知能 :  18.0  3  2  0  3   26.0         ....1........
 レベル: 20/27         賢さ :  10.0  3  0  0 -1   12.0         ....1........
 HP  : 230/230       器用 :  22.1  3  1  0  3   29.1         2............
 MP  : 97/97         耐久 :  21.9  2  1  0  3   27.9         2............
                       魅力x:  13.0  3  1  0  1   18.0   17.0  .............
         |)}== ~((] ]             |)}== ~((] ]                 |)}== ~((] ]
         abcdefghijkl@            abcdefghijkl@                abcdefghijkl@
 耐酸  : .............    耐轟音: .............    加速      : .............
 耐電撃: .......+.....    耐地獄: .............    耐麻痺    : +............
 耐火炎: .............    耐因混: .............    透明体視認: +...+.......+
 耐冷気: .............    耐カオ: .............    経験値保持: .............
 耐毒  : .............    耐劣化: .............    警告      : .............
 耐閃光: ....+.......+    耐恐怖: .............    遅消化    : .............
 耐暗黒: ....+........    反射  : .............    急回復    : .............
 耐破片: .............    火炎オ: .............    浮遊      : ...+.........
 耐盲目: .............    電気オ: .............    永遠光源  : .............
 耐混乱: .............    冷気オ: .............    呪い      : .............

             |)                 |)}== ~((] ]                   |)}== ~((] ]
             ab@                abcdefghijkl@                  abcdefghijkl@
 邪悪 倍打 : ...    テレパシー: .............    追加攻撃    : .............
 善良 倍打 : ...    邪悪ESP   : .............    採掘        : .............
 不死 倍打 : ...    無生物ESP : .............    赤外線視力  : .............
 悪魔 倍打 : ...    善良ESP   : .............    魔法道具支配: .............
 龍 倍打   : ...    不死ESP   : .............    隠密        : ....+........
 人間 倍打 : ...    悪魔ESP   : .............    探索        : .............
 動物 倍打 : ...    龍ESP     : .............
 オーク倍打: +..    人間ESP   : .............    乗馬        : .............
 トロル倍打: +..    動物ESP   : .............    投擲        : .............
 巨人 倍打 : +..    オークESP : +............    祝福        : .............
 溶解      : ...    トロルESP : +............    反テレポート: .............
 電撃      : ...    巨人ESP   : +............    反魔法      : .............
 焼棄      : ...                                 消費魔力減少: .............
 凍結      : ...    腕力維持  : .............
 毒殺      : ...    知力維持  : .............    経験値減少  : .............
 切れ味    : ...    賢さ維持  : .............    乱テレポート: .............
 地震      : ...    器用維持  : .............    反感        : .............
 吸血      : ...    耐久維持  : .............    太古の怨念  : .............
 カオス効果: ...    魅力維持  : .............


  [オプション設定]

 保存モード:         ON
 小さいダンジョン:   ENABLED
 アリーナ:           ENABLED


  [帰還場所]

    イークの洞穴:  15 階
    運命の大迷宮:  16 階


  [クエスト情報]

《達成したクエスト》

  『トラのホッブス』                       (  6階)            - レベル16
  スナガの族長『ラグドゥフ』               ( 12階)            - レベル17
  イークの大王                             (危険度: 15階相当) - レベル19

《失敗したクエスト》

  なし


 闘技場:  0勝


  [倒したモンスター]

18体のユニーク・モンスターを含む、合計1153体の敵を倒しています。

《上位10体のユニーク・モンスター》
  イークの大王『ボルドール』               (レベル 18)
  スナガの族長『ムズガッシュ』             (レベル 16)
  スナガの族長『ラグドゥフ』               (レベル 16)
  禿竜洞主『朶思大王』                     (レベル 11)
  南蛮人『帯来洞主』                       (レベル 10)
  ボルドールの息子『オルファックス』       (レベル 10)
  『トラのホッブス』                       (レベル 10)
  『ボーシン』                             (レベル 10)
  東夷『ブロッダ』                         (レベル  9)
  チャージマン『研』                       (レベル  8)


  [プレイヤーの徳]

属性 : 中立にして善

[然]の対極
[節]の具現者
[活]の小徳者
[調]の中徳者
[識]の高徳者
[勇]の敵
[犠]の小徳者
[勤]の具現者


  [キャラクタの装備]

a) 西方国のダガー (1d4) (+14,+11) (+2)
b) 革製ラージ・シールド <--> [6,+6]
c) ショート・ボウ (x2) (+0,+2)
d) 浮遊の指輪
e) ★イークの大王ボルドールの指輪 (+1)
f) (なし)
g) 真鍮のランタン(14897ターンの寿命)
h) 耐電の鋲付硬革よろい <--> (-1) [7,+7]
i) クローク <--> [1] {並}
j) 鉄ヘルメット <--> [5,+6]
k) (なし)
l) 硬革ブーツ <--> [3,+3]


  [キャラクタの持ち物]

a) 2冊の 自然の魔法書[野性の召喚] {@ma!k}
b) 2冊の 仙術の魔法書[入門書] {@me!k}
c) 9つの 食料
d) 4つの 油つぼ
e) スピードの薬 {!k}
f) 17服の ヒーローの薬 {75%引き}
g) 7服の 重傷の治癒の薬
h) 10服の 致命傷の治癒の薬
i) 体力回復の薬 {!k}
j) 12巻の ショート・テレポートの巻物
k) 4巻の 帰還の詔の巻物 {25%引き}
l) 2巻の 光の巻物
m) 3巻の パニック・モンスターの巻物
n) 光の魔法棒 (11回分)
o) 鑑定の杖 (16回分) {@1}
p) 2本の 鑑定の杖 (2x 0回分) {@1}
q) トラップ感知の杖 (12回分)
r) ドア/階段感知の杖 (11回分)
s) 理力のビークド・アックス (2d6) (+6,+10) (+1)
t) ヌンチャク (2d3) (+4,+4)
u) 76本の 矢 (1d4) (+0,+0) (9/16) {@1}
v) 28本の 矢 (1d4) (+6,+5) (19/34)


  [我が家のアイテム]

 ( 1 ページ )
a) 溶解のビークド・アックス (2d6) (+6,+3)
b) オークスレイヤーの鉛詰めメイス (3d4) (+3,+5)


  [チェックサム: "aea90fa83e441ce8ec"]

2011/05/08

[ニコ厨][歴史]多分歴史系動画の「破格の人」

知ってる人は知っていて今更紹介するまでも無いとは思うのだが、この人の資料にガチに当たった上で論旨を展開していく様には脱帽なので紹介。

正直101匹阿斗ちゃんのように三国志単体を基本にしているネタは大好きなのだが、アイマスや東方のキャラを(しかも大抵の場合は一流かそれに近い能力値を与えて)三国志や信長の野望やらパラドゲーで暴れさせるのには個人的には辟易している方だったりする。しかし少なくとも人物解説系の動画ではその辺の不満を感じたことは微塵もない。アイマスのファンでありつつに、単純なエンターテイメント以上に歴史を取り扱っている重みがあるというか。


2011/05/09

[*band][スケッチ]えるふ盗賊

前リプレイで扱ってネタのおさらい。エロゲ時空で犯られるためだけに存在してたような、無駄に乳のでかいえるふが*bandの@になって、挿されるんじゃなくて刺す側に回ったりするのを想像するのもやはり楽しいのではなかろうか。

ちなみに妄想してた人外殺陣的に髪の流れる方向を間違えている。猛省せよ、俺。

えるふさん


2011/05/10

[*band][スケッチ]えるふ盗賊2

ペン入りのリハビリできたような、そればっかり言ってるような。

エルフ


2011/05/11

[変愚蛮怒/攻略]絶望の図

雑貨屋にランタンがなくてもQy@はすまいと律儀に宿屋に泊まったはいいものの、ひたすらランタンが出ず、やがて金が足りなくなるの図。悲劇やな。

画像の説明

[D'angband/開発]D'angband製作日誌10

可変pitデケタヨー

ScreenShot


2011/05/12

[読書][小説]ロジャー・ゼラズニィ『影のジャック』

変愚でお馴染みアンバーシリーズだけでなく短編も少し読みこなしておきたいと思い、Amazonの中古で購入。コーウィンやマーリンと並んで、ゼラズニィの描く英雄ってのは大抵こんなモンなんだなと言うのが良く分かった。やはり自分のエゴで能動的に動く主人公は、どんな奴でもすっきりして大変よろしい。その先にあるのが栄華か破滅か、はたまた全く別のオチがつくかが予想がつかない刺激がたまらない。

本作の主人公ジャックも、自分のやりたい事、手に入れたい物のためなら、あらゆる者を敵に回し、邪魔する者へ復讐することを躊躇わないエゴの塊である。しかも魂を持たない暗黒界の住人であるから、死んでも死なない。首を切られても堆積穴と呼ばれる暗黒界の腐敗に満ちた穴から蘇っては、その間の飢えや苦痛をもたらした相手に報復する。最終的に変愚のmonspeak.txtで思わせぶりに語った「コルウィニアの鍵」を手に入れて好き勝手ぶりは最高潮に、そしてその果てに自身の超人的能力や、世界観の根底を揺るがす破滅が始まって…というある意味ひたすら投げっぱなしの展開である。

訳者後書きによれば、この作品はゼラズニィの過渡期的作品で、当初はゼラズニィオワタと言われるほど酷評されがちだったという。ただ、後々にアンバーシリーズの生み出すには必要な過渡期と思わせる要素は多く、個人的にはこういう濃いキャラが互いのエゴに凌ぎを削りバタバタする展開が好きなので、不満はなかった。そんな登場人物も作者に同程度に愛着を持たれて、同程度に突き放されている、そんな調子でもあるから主人公が好き勝手絶頂でも鼻につく感じはしない。


2011/05/13

[ゲーム]AfterDevilForce

アミューズメントセンターのDL販売

中学時代、PC-98/Windows3.1からWindows95への移行期位の時節にコンパイルのディスクステーションを先輩に紹介してもらい、どっぷりと漬かったもんでした。その中でもコイツはコンパイルの経営が傾きかけた前後で徒花咲かせた、不遇にして未完の最高傑作と思ってます。

元はディスクステーションに収録する予定だった(はずの)ものを、急遽フルプライスの単品パッケージ化。ステージ数わずか7面でDL販売でも税抜2980円とか理不尽に思えるかも知れませんが、内容はひたすら濃く、ゲームシステムから世界観までが相乗的に連携し合った完成度。SLGの中ではネクタリスや天下統一Ⅱと並んで、最近までやりこんでました。

正直色々惜しい作品なので、いつかどっかで日の目を見てもらいたいのですが、コンパイルも提携先のログインも完全消滅した今とあったはマジで夢のまた夢。何とかならないものかと思いつつ、とりあえず原作者様のサイトに残ってる設定集やサイドストーリーをたまに読み返すのでした。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

ClocQ [まさか知ってる人がいるとは・・・。 DF3は相当やったけどADFは買って5ステージ目あたりで積んじゃった記憶。]

Deskull [シビアだけどちゃんとクリアできる作りこみになってるのも好感触でした。 一応全ステージ自軍大隊壊滅なしクリアはやったこ..]


2011/05/14

[スケッチ]同キャラ書き分け(てない)

超別人、もしくは母と姉妹。

Mornaril


2011/05/15

[*band][スケッチ]Melkor, Lord of Darkness 'P'

普通に人型形態の時のご尊顔、妄想&彩色。

Melkor


2011/05/16

[*band][動画]@のことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!

MADでけたよー


2011/05/17

[*band]先日の動画作ってた際に生成されたしゃれにならん地形

最小サイズのダンジョンフロア中で、部屋が極小の円形一つしか生成されなかった図。マジでこんなことあるんだと吹かざるを得なかった。

ぎゃあ


2011/05/18

[アタシラヂョウヲウ][イラスト]メリさん

こいつ書くの久しぶりだ。

めりざ


2011/05/19

[*band][イラスト]鬼畜大佐『ロムンクァリィ』

D'angのウトゥムノで復興作業を行っている元バルログアーチャーの*勝利*者。混沌の宮廷の武門、ヘンドレイク家に師事して現代軍事学を学び、訓練も受けた後に数百年の兵役に従事。佐官まで昇格し、宮廷からもサー(レディ)の称号を受けた後に独立、フィーンド及びアンバーや混沌の末裔を兵員とする民間軍事会社を作り、多元宇宙間戦争をまたにかける。本人曰く軍人は趣味。アルダの神代には、妹ウルウェンと共にメルコールの第一夫人ウルバンディの侍女兼副官を務め、義姉妹としての盟約を交わした。

鬼畜大佐


2011/05/20

[*band][ファンタジー][小説]D'angbandバックストーリー1

D'angに影響するようなしないような二次設定。まあ、元よりここでのファンタジー論や言及ぶりが言及ぶりな訳で、純粋なトールキンファンにはあれこれ問題視されそうな話であることは了承の上、見ていただければ幸い。

“ヌメノール”の吟じ手・アデュナディル、ヴァララウカールを記す。

 創世の歌、アイヌリンダレの頃から全ての対立は始まっていた。
 歌い手となった最初の種族アイヌアの内、後の冥王メルコールの調べに惹かれた者達の
ほとんどは、後の長き神代の乱の中で叛乱の側に加わった。彼らはメルコールの生み出し
た独自の生命の原型にして最初の武器ウドゥンの焔を身にまとった。このことでメルコー
ルへの友誼や臣従を示し、力の悪鬼ヴァララウカールとして、至福の地アマンの神々や創
造主イルーヴァタールの被造物達と対峙したのである。
 彼らが乱に身を投じた動機は千差万別であり、その根本は彼らがアイヌアの後、本来な
らばマイアとして成すはずであったろう権能に基づいていた。その本質自体は、創世が成
されるより昔、イルーヴァタールが彼らを最初に生み出した頃から一貫しており、何者に
も歪められてはいない。
 ただ、メルコールの調べが示唆し、後にはイルーヴァタール自身が図らずも暴露した通
り、ヴァララウカールの願う彩りの多くは、イルーヴァタールの意図した次なる世界に一
片も反映されない事が定められていた。虚空より基づく陰陽と表裏の理について、陽と表
のみを集め満たした世界こそが彼らの創造主の究極の目標であった。例えわずかにも陰と
裏を孕む彼らの存在は、その遠大な計画の果て、永遠に楽土から追い立てられる絶対の運
命にあったのだ。
 ヴァララウカールは互いに競い争うこと旺盛であり、後代に至るまで深刻な対立を繰り
返していた。だが、この創造主がもたらした拭い難い絶望の一点においてだけは、常に憤
怒と共に強固な団結のありようを見せた。この団結を調律し、一個の力として、神代のい
くつかの勝利へと昇華せしめたこと、それこそが彼らの盟主である“力もて立つ者”メル
コール、あるいは副官である“物贈る君”アンナタールの手腕のほどである。
 また、メルコールの調べがもたらした影響は、明確な叛乱者だけではなかった。イルー
ヴァタールの運命に不平を抱きながらも、積極的な反発こそ見せなかったクルモなどのア
マンの民、あるいはイルーヴァタールからの優遇故、忠実に仕えること疑いようのない諸
力ヴァラール達にすらも彼の詩情の影響は、無意識の内、否応なく影を落としたのである。
 本来はイルーヴァタールの最初の被造物クウェンディ(エルフ)、次のエダイン(人間)
によって占められるはずであった世界の中に、鍛冶の司アウレが彼の民カザード(ドワー
フ)を加えたこと。さらに彼の民が自らの権能を脅かすと案じた彼の妻、大地のヤヴァン
ナがさらにエントを加えたことが、最も大きな例である。
 イルーヴァタールとヴァラールを有形無形に崇める民達の間では、この逸話に酷似した
ウトゥムノの民、ウルクやオログの神話を唾棄し、ドワーフとエントについては逆に彼等
の主の寛大さを称えるべき美談と見なしている。しかし実際の神代において、両者の話に
どれほどの差異があり、後者においては神々がどのような思惑で示談を収めたのか、それ
を真につまびらかにする伝承は確認できない。
 このような事情下で、ヴァララウカール達は己等の大義や欲望の成就を、メルコールへ
助力と共に託した。しかし先に語った通り、彼等がメルコールと交わした盟約はそれぞれ
に異なっている。全てを語り尽くすにはきりがなく、また謎のまま伝承の途絶えたと思わ
れる真実も多い。
 ただ言えることは、それらの盟約はメルコールが怒りの戦いの後に姿を消し、アンナタ
ールがその位を継ぐまで、万に及ぶ年月に渡りほぼ全てが強固な紐帯であり続けたことだ。
 西の伝承には、彼等の関係を「嘘偽りと当てにならぬ贈り物」のみで成り立ったものと
書き捨てたものが多い。一方、東の各地にはヴァララウカールを祖神とするウルクやオロ
グの間で、神話として語られている。その話の限りにおいて、ヴァララウカール達に軽薄
な約束事に騙されるような愚昧さはなかった。
 イルーヴァタールの定めたところでメルコールの妹とされ、やがて第一の妻となった女
マイア・ウルバンディは、後に姿を消した夫への盲従故に、東方の神々の戦いの中で最も
巨大な災禍をもたらした。だが、そのような女ですら、当初はヴァラールの戦士トゥルカ
スに仕え、ウトゥムノを築き上げたばかりの頃の兄と、熾烈な立ち回りを交わした逸話を
残している。
 そんな彼等がやがてメルコールの軍門に加わった物語の中には、何よりまず彼等自身の
意思がある。メルコールはそれを汲み取り、新たな道へ導いたに過ぎない。そして戦いの
果てに報酬を得たヴァララウカールとその末裔達は、今日もまた東方の各地で幾つもの帝
国を築き上げ、繁栄を謳歌し続けている。

2011/05/21

[ファンタジー]孔子とガンダルフ、現実と幻想

 タイトルからして何事かとは思われる。まず、実在の人物と架空の人物であるし、文化的背景も全く別物になる訳だがそれも包括した話を進めたい。

 孔子とガンダルフには、半ば伝説の絡んだ人物像とトールキンが求めた人物描写について、奇妙に一致する点が多いと思う。なまじ古代中国思想の祖師や開祖になる人物には、異様な箔付けの物語が施されるだけに、その幻想性が指輪物語的なケレン味とかなり近しく歩み寄っている。

 一方の中つ国第三紀も、時代的モチーフとしておよそ青銅器〜鉄器時代が技術的にも政治的にも円熟した所に、数々の幻想を加えたものと言える。そのため、現実という地についている描写で、意外にも対比して見ることが可能になる点が多い。

 その上で、彼等にはどのような共通点があるのか。まず第一に彼らは、共に途方もない理想と使命に燃えていた。かたや周代初期の治世であり、かたや神々ヴァラールの願う中つ国の平安である。第二に彼等は結果論として、庇護しよう、導こうとする国家や共同体に長く定着することはなく、大抵は助言者の立場に留まっていたこと。第三に、生まれた事情は異なるとは言え、共に諸子百家やイスタリという、思想信条的にはしばしばライバルと言える存在がいた点である。そして第四として何よりも、第一で語った己の理想とするところを実現させるためには、良かれ悪しかれ自他共に厳格で、それを阻害しようとする者と妥協することを決して良しとはしなかったその性情である。

 近松門左衛門の説く「虚実皮膜」とも言える物語的枠組みの中で、かたや現実の人物は幻想に近づき、かたやトールキンは幻想を限りなく真実たる何かに近づけたいと願った。そして孔子とガンダルフそれぞれの結果はどうであったか。

 かたや、「泰山崩れんか、梁柱砕けんか、哲人萎れんか」とその生涯が挫折に終わったことを明確に口にして終わった。自分の掲げる理想が政治と結びつくまでには孟子や荀子の代までを待たねばならず、しかもそれすらも常に現実の蹉跌や萎縮した形骸とひたすら戦い続けなければならなかった。また老荘思想といったライバルや、それぞれに徹底したリアリズムである法家や孫子のような存在と常にせめぎ合いながら、現実の歴史が続いていった。

 かたや、5人のイスタリの中で唯一使命を成し遂げ、しかも思想信条的に最も根本的なライバルであった、まさに法家と孫子のリアリズムを徹底していたサルマンは、その物語そのものに一切の業を否定され、悲惨な末路を辿った。どうあれ、己の掲げた中つ国の平安は、「自由の民」が全て一致団結する形の元に一片のほろこびなく成し遂げられ、最後に灰色港を通じて、アマンという名の西方浄土で祝福されることが明確に描かれた。

 両者の違いは結局のところ何であるのか。この物語的文脈について言及する場合において孔子とガンダルフのどっちが優れていたとか、教導される中つ国の民が、古代中国のそれより特別に善良であったとかどうこうで考えても意味はない。

 ただ、孔子の方は、儒家がその開祖を理想的に描きたかったとは言え、歴史的な結果までを捻じ曲げて語る訳にはいかなかった。また孔子には当然のことながら、己自身や、ついてくる弟子などの「人為の味方」しかいなかった。それゆえに、孔子の存在は歴史に実在した人物であること以上に、一種の地についた人物として物語になりえた。

 そして、ガンダルフには(イスタリという中つ国の基準においては「ヒトの身」とそうそう変わらない立場であるとわざわざ断っている一方で)、ナルヤという力の源が与えられた。神代の力を失わぬ大鷲やエントがいた。まるで指輪を滅ぼすために生まれたようなホビットという種族がいた。ましてや命を落とそうが、「ヴァラールをなお超える力の導き」で白のガンダルフとして復活した。これらの存在があることで初めて、善は勝った。そのことでトールキン教授は善が普遍的に勝ち得るのだという「願望」を「真実」のように語りたがった。現実はそうとは違うとわざわざ後書きで書いていながらである。

この時点で指輪物語にも、シルマリルの物語にも虚実皮膜は失われ、幻想はただの幻想に終わった。歴史ではもちろんないし、神話とも言い切れない。残ったのはつまるところ「開き直った逃避の文学」それだけである。

[D'angband/開発]D'angband製作日誌11

へけけ。

Aho


2011/05/22

[D'angband/小説草稿]D'angbandバックストーリー(プロローグ1)

さて、まともに完結するのか、どこまで続けられるか分からんが垂れ流してみる。

プロローグ・1

 大いなる使命を託され、東方への旅路を重ねて幾年月。
 理想から隔たった多くの苦難に心身は萎え、やがて緩慢な絶望の中で、全てが終わってしまうのではないかという予感。
 我々の足取りはひたすらに重かった。
 禍々しく感じるほど赤い太陽が沈みかけ、大地は荒涼たる夜へ至らんとしている。頭上に輝き始める星々は、我々の女神エルベレスのもたらすはずの天文の摂理とは、全く異なる運行と性質をもっていた。
 それは最も広く我々を見守る諸力すら及ばぬ地平に至っている証であり、さらに我々を怯えさせる。
 そろそろ野宿の準備を始めるべきかと、痰の絡まる口を開いて皆に指示を与えようとしていたその時、我々は冷ややかな夜の林を越えた先に、ひたすらに冷たく眩い光を捉えた。
 誰がいるのだろうか?今度は一体、いかなる未知が我々を苛むのだろうか?卑屈な恐怖に染まった私達の後ろから、ふと涼やかな声が聞こえた。
「やあ、西よりの客人方。随分とお疲れのようですな」
 今となっては一句一語を聞くだけでも愛おしい我々の西方人の言語が、他者より投げかけられた。食いつくように振り向く我々の視界に、濡れるような金髪を肩まで垂らした端正な長身が姿を見せる。
「無理からぬことだ。この広大な〈混沌の地平〉の中でもこの領域は、あの屈強にして貪欲なるウルクの交易商すら、余程の強行を覚悟せねばならぬ時しか選択肢に入れぬ経路です。西の最寄の都市群からここまで来たのだとしたならば、それだけで、あなた方の諸力の加護の深きことを、感嘆せねばなりませんな」
 我々は、この男の鷹揚として流暢な語り口に同意しようとした一方で、同じ位反駁したい心境を抱いていることに気づかされた。
 ひょっとしたら、確かに我々は知らぬうちに、我々の信じる諸力に守られていたのやも知れない。だが、それを確信するには余りにも我々の知る「真実」と、この異邦の地で思い知らされた「現実」とは齟齬に満ち、異なっていた。多くの教えを踏まえた行いは、むしろ藪蛇に至ることばかりだった。
 だから我々は、我々の力でここまでやり通してきた。
 そんな誇りが自然と皆に心中に宿っていた。今となっては、それこそが執念と言えるほどの活力となり、この地に神々アラタール達の「真実」を広め、切り開かんとする源となっていたことに、今更になって気づいたのだ。この男の一言が。
 よくよく見てみると、この男は位高き貴人のものとしか思えぬ上質な衣とまとっている一方で、何やら無骨な鉱夫が担ぐとしか思えぬ、つるはしやショベルを背にかけていた。それを手ずから扱っていたらしく、その白衣の一部は土に薄汚れていた。
 片手にはその採掘道具で掘り出したのであろう鉱石をまとめた、透明な袋のようなものを手に吊るし、同じ小脇には何とも用途のうかがい知れぬ、黒色の薄い板を抱えていた。
 姿形こそは、伝承に聞く裂け谷の、ロスロリエンの高貴なるエルフ達と瓜二つであろう優れた貴人そのものである。しかしどうやら彼がやっていた事は、我々が故郷で何度も見覚えある鉱業の民と同じようだ。実際エルフ達は、特にノルドールの一党は、多くが工芸の達人であることを、語りに聞いてはいる。
 しかし現にその光景を見てみると、実際の所そこまで改まって見る物でもないのか。そのような神域の振る舞いも、我々の知る日常とあくまで直接に繋がる延長の上にあるものなのか、と何処か胸を撫で下ろすような、落胆するような気持ちを感じていた。
 こうして彼を一目見て吟味しただけでも、色々な感情が去来したのだが、まるでそれら全てを見透かしたような調子で、彼は私達に言葉を投げかけた。
「ともかくその疲れた身で強行を重ねては、やがて諸力の恩恵で旅路を乗り切ることも、出来なくなることでしょう。どうぞ、我々の天幕に身を寄せてお休み下さい。私の友人も、今回旅に招待している賓客方も、ちょうど、未知の話相手に飢えていた所だったのです」

[D'angband/開発]D'angband制作日誌 part12

U<悪魔的に考えて俺のシュブ=ニグラス様マジ女神。

キャーシュブサーン


2011/05/23

[ヴィーヤウトゥムノ]バルログ混沌の戦士

未*勝利*時代に描いていたバルログ@の妄想図。実質モルナリル・ウルバンディの初期デザイン。

ぬふぅ

[D'angband/開発]D'angband制作日誌 part13

既存のNetHack的フレーバーや、新たな仕様を追加するため、床にメッセージを置いたり、任意に刻める機能を追加。案外簡単な割りに色々可能性が広がっていいだろうと思う。だが、Eの字、テメーだけはダメだ。

クレタ島


2011/05/24

[東方][作業状況][スケッチ]マリーサ

@のことなんか全然好きじゃないんだからね!」うpったら、コメントでいい加減東方動画作れwと怒られたので、とりあえずボトムズばりに猜疑に歪んだ暗い瞳でせせら笑う魔理沙をうpっておきますね。てか、マジで作らんとな。他にも色々。

ウェヒヒヒwwww


2011/05/25

[ヴィーヤウトゥムノ]SATSUGAI忍者『ウルウェン』

ウトゥムノの鬼畜大佐ロムンクァリィの妹にして、エルフ側の史書でバルログ全てが「自我をメルコールに支配された、破壊と殺戮の権化である」という誤謬を招いた元凶。もっとも、それすら半分しか正解でない。彼女は常にメルコールの命令などどこ吹く風で、エルフや人間、あらゆる動植物を殺し回った自由意志のシリアルキラーである。

メルコールに帰順したマイアの最古参組(同輩にアンナタール(サウロン)がいるほど古い)中で、唯一の女性であったが、その動機はただ、アルダの生き物を殺戮することを楽しむためであった。戦に出れば戦果は常に著しいので、メルコールは彼女の振る舞いを黙認したが、しばしばウトゥムノの民たるウルク、オログ、竜や狼まで殺戮しまわったため同時に非常に疎まれた。

絶えかねたメルコールは彼女を姉ロムンクァリィと共に、第一の妻ウルバンディの侍女兼副官にした。方向性こそ違えど烈女という点で相性が合致したらしく、ウルバンディの示唆の下、彼女は殺す相手を選ぶことを覚え始めた。メルコールは自分に忠実な妻を介して、ようやく間接的に彼女へ轡を噛ませることに成功したのである。

第一紀のある闘いの時点で戦死し、虚空に放逐されたと思われるが、漂った先で〈混沌の宮廷〉にたどり着き、拾われたヘンドレイク家の元で忍術を学ぶ。が、師の言うことを聞かず、あからさまに勘違いして学んだせいで、やがてひたすら殺しに特化した独自の「SATSUGAI忍術」を創始してしまう。この女には「火遁の術」の「遁」が本来何を意味しているのか理解できていない。

現在は姉、ロムンクァリィに従い、ウトゥムノの復興に参画。SATSUGAI忍者屋敷を作り、フィーンドによる汚い忍者軍団を形成している。

汚い忍者No.1

[D'angband/開発] D'angband制作日誌 part14

前からデータ上の実装だけ行っていた後続の要素を仮実装。これで蛆虫爺が糞犬連れたり、コーウィンが原作の銃士隊を率いるようになった。

大量発生


2011/05/26

[*band][ファンタジー]善の乖離と撞着性について

ビオ略の人のNH系雑記「善悪なんてもともと存在しないんだよ。秩序混沌の方はあるけどね。」

ビオラインリードの人の記事は、前々から古典FTやTRPGについての道しるべとして何度となく参考にしてきてはいるのだが、同時に何やら物申したくなるような言質が多い。大分前にちょっとネタにした件に続き、数年も前の記事に今更ながら反駁してみる。

正直、2chのスレで何気なくいった一言の揚げ足取るように「思考停止」呼ばわりしたり、「安手のFTの売り手や受け手」とか吐き捨てるよりは建設的な話が出来るはずだ。少なくとも、どうしてそんな誤解が生まれ得るのかを真面目に分析しない限りは、ビオの人が本来そうしたいのであろう、本当に「善」をファンタジーで表現することの肝心さとか、具体的に表現すべきかを他人に納得させることは出来ない。少なくともやってる事の方向性が、戒律に背く人間を殺戮する天使と変わらないだろう。

ファンタジーが結局のところ現実から虚構の要素を積み上げて、形成されていく物である以上、各人がファンタジー作品を愛好する要因は、自分の実体験や風聞に基づく。だから、セム系一神教の善悪感とは大抵無縁の所に育つ我々日本人が、そういうテーマをふんだんに盛り込んでいるナルニアや指輪物語が本来意図する所とは異なった解釈をしたり、脱構築的な扱いをするのもある意味では必然的であるし、それに忠実でないからと言って精神性に劣るような言われ方をする筋合いはない。

本来「良心と思いやり」を持ち、「他人を傷つけることなど決して考えない」はずの善が、そういう誤謬にまとわりつかれるのも何の事はない。結局のところ、善がそれを維持していくためには、しばしば悪以上の暴力行為があいまいでなく、善悪関係のない所で実際に行われているからに他ならない。

これは現実の世界でも無論そうだが、指輪物語のようなそれをなんとしてもひけらかしたい作風の中ですらそうである。個人的にどうしても理解できないことに、やたら熱心な指輪の愛好者はそれに気づかないか、わざと見逃している風にしか思えない。

善悪の構造は、善が力をふるって悪をほろぼす少年雑誌の図式に依らない。
善の側はガンダルフを代表として想像力に富むのみで、魔力はなく、悪は制御
しきれぬ支配欲にかられて自滅する形をとり、…

これは指輪物語の旧訳者、瀬田貞二が『夢見る人々』の中で指輪を端的に表現したものであり、ビオ略の人も*band私家版用語集の中つ国の項目で取り上げ、同時に自分の気に食わない「少年誌」をこき下ろしている訳だが、しかし実際、シルマリルと指輪はどうなのか。

忍耐強い忍耐強いとナレーションでこそ、必死に弁明しているが、結局のところトゥルカスはメルコール以上の腕っ節で彼を叩きのめし、イルーヴァタールは、ヌメノールごとアル=ファラゾンの軍勢を沈め、アイゼンガルドの塔をエント達が叩き壊し、ガンダルフの毒舌な皮肉の攻撃性はある意味でサルマンより熾烈である。そして、最後の戦いダゴール=ダゴラスの時に至るまで、最後はトゥーリンのメルコールに対する復讐で締めくくられるのである。彼等の行為を「綺麗な暴力」で片付けることができるのか?

この図式は善=光=優秀=美、悪=闇=劣等=醜が奇妙なまでに一致した世界の中で、余計に浮き彫りになる。そして同時にさらなる胡散臭さを醸し出すのに一役買うのだ。その結果、我々の間でファンタジーといえば輸入してきた指輪や古典TRPGではなく、それを根っこにしながらも、独自のCRPG的な世界観になった。後者がしばしば前者に対するアイロニーやパロディを繰り返してきたのも、つまる所その胡散臭さに耐えられなかったからだろう。質はピンキリあっても、その方向性に後ろめたさを感じる必要はないのだ。

無論、善を描くことも決して悪くないし、それをうまく表出させた作品は海外にも日本にも山ほどある、ウルティマの中でもⅣ、Ⅴ、Ⅵの三部作は、善を体現することの基本的な方向性、嵌りがちな陥穽、そして複数の善が止揚してさらなる高みに上る所をテーマにして、それをゲームシステムに見事織り込んだ。旧スクウェアの名作、LIVE A LIVEはそれこそ、真の結末にたどり着くのに必要なのは、悪への止めでなく対話であったことを、先に言うような胡散臭さをなしに、ただ主人公達の個人的体験からの一言で表現した。

こういった醸成が「安手のFT」にも存在している事に言及せず、ただ古典を有難がっては、自分が愛好する作品と共に勘違いをされても仕方ないのではあるまいか。


2011/05/27

[*band][小説草稿]D'angbandバックストーリー(プロローグ2)

週2ペースほどでこの分量ならD'ang制作の片手間でできそうだ。

プロローグ・2

 我々に背を向けつつ手招きする彼に、私達は何歩かの間を置いてついていった。エルフの貴人は我々よりも数段高い上背と長い足を持っていたが、疲労の嵩んだ我々が駆け足をせずに済むように気遣ってか、ゆっくりと歩んでくれた。
 怪訝な彼を警戒せずにはいられなかったが、体はどこかで休息がすぐさま得られることへの安直な期待を抱き、歓喜の悲鳴を上げているようだった。
 天幕の横に置かれたかがり火か何かだろうと思われる冷たい平野の一点は、近づくにつれ全く面妖な代物であることに、我々は気づかされた。
 それは我々の知見の限りで強いて言うならば、東夷の中でも馬車族と呼ばれている一党が移動や簡単な宿泊に使う、布製の屋根をつけた馬車に似た形をしていた。
 だが、沈みかかった赤い太陽の光を浴びて光沢を見せるそれは、実際には布ではなく、ミスリルにも似た白銀で出来ていたのだ。形状も馬車族が扱うものとは大きく異なり、直方体に近いながらも極めて緻密で複雑な形をしていた。しかも馬車より数段に大きい。我々の故郷の基準として、民家一つ丸ごとの容積はあっただろうか。
 確かに馬車かそれに近い何かではあるのだろう。地面には黒色の分厚い、六つの大きな車輪がついている。だが、馬車であったら本来先頭にあるはずの、馬を繋ぎ止める部位はなく、御者が座ると思しき部位は、幌もどきと同様に金属製の何かに覆われていた。遠目に見えた冷たい光は、この先頭の幌から輝くものであったのだ。
 それにしても馬はどこにいるのだろうか?こんな重厚そうなものを動かそうというのなら、馬車族が使う、あの小柄ながも、独特の太い足と膂力をもった馬をもってしても、何十頭と必要に見えた。だが、開けた平野を見回してたころで、馬を放牧している様子も皆無だった。
 金髪の貴人は、いぶかしむ我々の表情を見て、上品ながらも悪戯者くさい笑みを浮かべて言った。

「これは馬車族のそれではありませんよ。移動自在の天幕という観点では同じものですが、『キャンピングカー』と言うもの。この度、長年の確執から和解を果たした古き友人が、私に進呈してくれたものなのです」

 私の内心の個人的見解を見透かしたような、金髪の貴人の説明に注意が向く直前、突如、奇妙な断続音と共に『キャンピングカー』と読んだ馬車もどきの先頭の光が若干に増した。我々伝道師の一行の中でも、臆病がちなハーフホビットのベルトーは腰を抜かし、間抜けな絶叫と共に尻餅をついた。
 断続音はドッドッドッドッと、獣の呻きともつかない音を上げ、このキャンピングカーとやらが異形の化け物であるかのように思わせた。しかし、微動だにせず生き物らしくも思えない息遣いであるところを見ると、やはり違ったようだ。

「こんな面白くて便利な代物を頂いたからには、早速使うべきと思いまして。その友人と和解に貢献してくれた方々を連れ、こうして〈混沌の地平〉のぶらり旅に回っています」

 エルフの貴人は、懐から奇妙な割符のようなものを取り出し、キャンピングカーの奇妙な紋様部分に目を見開きながら顔を近づけた後、その横の隙間に割符を通した。すると、その横にあった扉ほどの大きさの継ぎ目が左に音もなくずれて動き、キャンピングカーの内部が露になった。
 中は暖色系の色合いに眩く、形状は奇妙ながらも、明らかに住居の調度品と思われるものが幾つも散見された。天井に輝く照明には、極めて緻密な透明の細工が被せてあって、これが伝承に聞く玻璃瓶かと思わせるほどに輝かしかった。
 きょとんとした我々の様子を見て、エルフの貴人はじわじわと満悦を嗜んでいたようだ。
 ふと私は、キャンピングカーの下部に取り付けられた金属板に気づいた。
 上部とも車輪とも異なる、黒鉄と思しき材質で出来た板には、暗がりの中でも非常に見やすく、くっきりとした文字が打刻されていた。しかし、文字は我々には全く未知のもので、読み取りようがなかった。

『──────Linquileaner Industries Limited …』


2011/05/28

[*band][スケッチ]第一級ウトゥムノ名誉神族

バルログ、フィーンドといった定命種族の肉体や魂魄を食料にしている地獄の住人のために、「えるふ」の畜産技術を確立させた地獄界の働くおじさん。流石にネタがR-18&G過ぎてD'angに出る保証はない。

農家の鑑


2011/05/29

[ヴィーヤウトゥムノ]兵器の悪魔『ウディンダイ』

モデルは変愚で初めて1発勝利したコンバットバルログ魔道具術師。

Udindae

ウディンダイはウトゥムノの復興者、鬼畜大佐『ロムンクァリィ』の一人息子にして、
魔道兵器開発者、そして〈混沌の宮廷〉から雇用している嘱託サイバーデーモン部隊の
最高統率者である。

彼女が〈混沌の宮廷〉で軍人をやっていた時代に同僚だったサイバーデーモンとの間で
作ったらしいが、余り穏やかな話ではなかったらしい。サイバーデーモンがロムンクァ
リィを襲ったとも、逆にロムンクァリィがサイバーデーモンを襲ったとも言われる。

ともかく、未婚の母の子として生まれたウディンダイだが、〈混沌の宮廷〉では基本的
に王位や爵位の継承順位以外の問題で私生児が取り沙汰されることはなく、そもそも悪
魔に私生児も何もあったものではないので特に不幸なこともなくすくすくと育った。の
みならずウトゥムノの悪鬼ヴァララウコとサイバーデーモンとの混血児である彼は、両
者の血を見事良質に引き継いでいる。

[D'angband/開発] D'angband制作日誌 part15

キチガイに刃物ならぬ、キチガイに鉄球。単純にDROP_GREATフラグが装備品にも反映されたからとは言え、滅多にお目にはかかれまい。

よくも俺達の★を盗み取ったんだな


2011/05/30

[ヴィーヤウトゥムノ]D'angbandバックストーリー(プロローグ3)

無難に続ける。

■プロローグ・3

 キャンピングカーの中に入ったエルフの貴人は、左手奥の通路に向けて数度の会話を投げかけた。聞き覚えのない言葉だったが、おそらく我々という来客を招き入れるために、先に語ったところの「和解した友人と賓客」に断りを入れていたのだろう。
 いかにも「よし」という意味らしい一語を発すると、今度は西方語で「どうぞ、お入り下さい」と、依然にこやかな調子で我々を招き入れた。
 中は冷え込みつつある平原に反して、春の野のように暖かだった。嫌味にならぬ程度の香料が炊きこめられ、ぬぐった鼻の中にどこか遠く離れた西の故郷を脳裏に思わせるような、心地よさがあった。
 我等五人全員が入った時点で後ろの戸は、誰が動かすでもなく自然に閉じられた。

「中はこの通り気温まで快適に整えてありますので、外套の類はここで脱き、そちらのハンガーへおかけ下さい。小用などありましたら、厠はこの右手の方にあります」

 そう言うと、彼は我々から右手に見える白い戸を、何か奇妙な突起物に触れることで開いた。中には大理石とも陶器とも知れない、艶かかったえも言われぬ曲線を持つ白亜の壷が、床に固めるように添えつけられていたが、これが便壷だと言うのだろうか?
 後々の温んだ空気の中での談話で、我々は全員この便壷を利用した。自ずと蓋を開くやら、用を足した後に水が流れ出すやら、随分と驚かされることばかりであったが、これから続く話の中ではなおも些細なことでしかない。品もないのでここまでに止めておく。

 左手の部屋はおそらくキャンピングカーの半分を占めるほどの容積で、中央にテーブルが、その周りを取り囲むように座席が床に添えつけられていた。
 そして、彼の本来から招いていた客4人がそれに座し、従僕と思しきものが1人だけ部屋の左に立っていた。彼等はある一人を除いて、エルフの貴人のように、顔つきはどことなく我々の故郷の民に近しいものを感じる者達ばかりなのだが、服装はほとんど未知のものだった。
 座した客の内、一番左の初老の男が、西方語で我々を値踏みするかのように言った。

「血の濃いドゥネダインが1名、後はドワーフやホビットの血が混じっているようだが、おおむね人間か」

 容姿こそ我々の民がよく知るドゥネダインに近かったが、髭はもみあげにかかる物以外は全て剃り、髪も短く刈り上げている。衣服は細身の体つきがそのまま分かる直線的な黒の布地で、胸元を見るに中に白いシルクの布地を1枚重ね着している上、鮮やかな赤色の長い布地を首から垂らしている。全く見たことのない服装だった。
 先のこの言い草の限りを見ても、この男はドゥネダインとは似て非なる者なのかと思われた。

「はるばるご苦労なことですな…せいぜい故郷で畑を耕していた方が、余程、自由の民のためになることでしょうに」

 立っていた男がそれに受け答えた。侍従にしては、我々にもいずれかの主人にも礼を失している多弁さで、明白に我々を見下す調子だった。

「辻説法と長生きしか能のない輩に全幅の信頼を置き、周囲にも至福の地にもいい顔をしたがる王侯がいるからこそ、かの地では笑い一つ取れない滑稽劇が続くのです」

 先の男より外見はもう少しふけて見え、長めの黒髪は整ってはいるのだが、生え際は大分禿げ上がっており、髭はただでさえ薄い様子なのを先の男と同様に剃っているようだ。
 我々の立場や使命をおおよそ理解しているであろう上での侮蔑に、言い返したい気持ちが強く湧き上がったものの、この男の鋭い狂眼を見ていると、その気勢もどことなく萎えてしまった。
 この男だけは、明らかに自分達の知る限りで出身が伺えた。張りのある声ながらも癖のある西方語は、北方人訛りのものだった。
 服装も北方人の貴族が着る高級な布地のローブ。しかも性情の良し悪しはともかく、言葉使いの調子から、教養の高さがあることは確かに伺える。少なくとも宮廷に堂々と出入りできる身分の者なのだろう。
 それだけに、この出身も定かでない上にバラバラと思われる一行の中で、まるで他の者より格下のように立っている様子が気にかかった。

[D'angband/開発] D'angband制作日誌 part16

イェーキンの南方で、tの群れを殺戮した後の図。ボロ服と折れた武器の山。

SATSUGAI


2011/05/31

[*band][小説草稿]D'angbandバックストーリー(プロローグ4)

最終的に構想通り完結した後の加筆修正を思うと、まだぞっとするがまだまだ続く。

■プロローグ・4

「初対面から刺々しい態度と言動はお控えなさい、御二方。奇しくもこのような立場の方々と直に言葉を交わす機会が得られたのです。この出会い、我々の中でもあなた方なりに有意義なものがあると思いませんか?」

 エルフの貴人が嗜めても、二人の我々に対する態度や冷淡な目線は変わらない。
 だが座した男は、エルフの貴人に反発する様子までは見せなかった。テーブルに置かれた奇妙な物品で、我々が入室する前からこなしていたらしい何らかの雑事を、無言のまま淡々と再開しはじめたのだ。
 彼は何か奇妙な板──エルフの貴人が出会ったばかりの時に、脇に抱えた板と似たようなものだった──を本を開くように広げていた。だが、やはり我々の知る本とは具合の違うものらしく、横に傾けて読んでいる。テーブルに置いてこそもいるのだが、装丁の形は奇妙で、我々に覗かれたくないのか全開に開かれていない。テーブルについてない側が倒れることなく、彼の目線に向けられているのも不思議なものだった。外側の材質はなめし革にしても艶が強めで、依然皆目検討がつかなかった。
 しかも、彼は本に似たその何かを単に読むのでも、何かをペンで加筆している様子でもない。浮いている側を見つめながら、テーブルにつけた側に手のひらで両手をかざしつつ、極めて手馴れた調子で何かを、十本の指でひたすらに突いている。沈黙した一室の中で、カタカタカタという聞きなれぬ音だけがしばし響いた。
 そんな様子に目を奪われて気づかなかったが、もう一人の立っている狂眼の男も、再び立ったまま部屋の左隅でかしこまったまま、宙を見ている。私達がこの場にいることを、少なくとも黙認する気にはなったらしい。

「和解した友人と言うのが最初の彼、もう一人の彼はその従僕です。先の通り、主従揃って意固地な性情ではありますが、それらは一種の実直さに合わさったものだと見ていただければ、せめてもの幸いです」

 弁解するエルフの貴人の調子は、相変わらず、何かの罠と疑いたくなるほどの朗らかさだった。しかし、どんな真意や気紛れだろうと、我々に休む場を提供できるようにと、気配りの中に忍ばせる誠意は間違いなく、本物だったのだろう。
 西の故郷を使命を持って旅立って以来、伝え聞いたこととは全く離れた厳しさに苛まれ続けてきた我々は、この頃、しばしば良からぬ猜疑心に囚われること著しかった。そこをもってしても、このエルフの貴人の調子には気を緩めてしまう何かがあった。
 同時に我々は、どこか夢心地にでもなっているようだった。
 よくよく考えれば、こんな荒野の真ん中に、我々の想像をかけ離れた何もかもを使い「旅」をしているという一行と何の予兆もなく出会うのも、とんと奇妙な話だったろう。
 彼等の容姿が半端にエルフや北方人に近いというのも、どこか妙な夢見がちなものを感じた。私は同志達と揃いも揃って、旅の疲れで譫妄に陥っているのではという思いに囚われていた。
 しかし、次に聞いた何気ない一言で、私の現実感は何故かはっきりと立ち戻ってきたようだった。

「こうして『ここの』西の民と直に対面すること自体は初めてになるよ。これもまた貴重な体験とさせてもらおうかな」

 何語で話しているのか分からない、だが意味だけは極めて明瞭に伝わってきた。その話し手は先のドゥネダインもどきの男の隣、テーブルの真ん中で堂々と座す、我々の平均とそう変わらない背格好の男だった。
 服装は鮮やかな緑色をした上質のチュニックを着ており、我々の知る民俗にかなり近い。どちらかと言えばエルフの文化を幾分か受け継いだ、灰色港付近の人間の小領主が着こなす類のものだ。
 髪の色は鮮烈に赤く、波打つ癖毛が燃えているようにも見えた。顔つきは神経質そうで、一見すれば先ほどの二人よりも、さらに冷淡でよそよそしそうな表情を見せそうに思える。だが、それの予想に反してうっすらと素直な笑みを浮かべており、我々へ好奇の感情なりに好意を持っている様子は伺えた。

「是非とも、またあなたの『着想』に結びつくならば幸いです」

 エルフの貴人が慇懃に礼をした。つまるところ、和解に貢献してくれた賓客というのが彼なのだろうか。