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SikabaneWorksが関係するコンテンツ(主に*band系ローグライク)の開発近況・補足から全く個人的な雑記まで。

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2016/12/25

[変愚蛮怒/開発] 変愚蛮怒2.4.0系リリースまでの間に検討したい調整案2『鉄獄以外のダンジョン』

最初に

本記事はRoguelike Advent Calendar 2016 の25日目の記事です。

変愚蛮怒2.4.0系リリースまでの間に検討したい調整案1『敵打撃の調整』に続き2.4.0で実現したい内容を思案してまとめます。

カレンダーのトリということで、とりあえず変愚恒例でウチのバルログ忍者とアーチャーにサンタクロース殺らせておきますね。

殺ったぜ

2.1.5現在

このどっかで見たことのある列島が変愚蛮怒の世界であることと、以下の開発記事、外部リンクを踏まえて話をしたいと思います。

現状の鉄獄一本路線

前回も冒頭である程度言った通り、現行の変愚蛮怒のバージョン上には既に一定の完成度に仕上がったバランスがあります。そして、それを元にした*勝利*までのセオリーも長らく多数のユーザが、努めて仕上げてきたものがあります。

最も目に見えやすいやり込みとしては、やはり実プレイ時間の短縮が挙げられるでしょう。悪の美学氏(http://moon.kmc.gr.jp/hengband/hengscore/showdump.cgi?74534など)がハーフ系種族&多くの職業で10時間切り~13時間での勝利ダンプをいくつか上げていることは、自分が知る限り極致の例です。

他の取り合わせで氏に匹敵するペースでの勝利を済ませているダンプもいくつかあります。現在サーバに含まれているこれら全てのデータを統計的に把握している訳ではありませんが、総じて言えることは、これらの*勝利*は、鉄獄以外ではほぼ一定のクエスト&ダンジョンを経て行われていることでしょう。

  • もの言えぬ証人 (危険度: 5階相当)
  • 盗賊の隠れ家 (危険度: 5階相当)
  • ワーグを殱滅せよ (危険度: 5階相当)
  • オークのキャンプ (危険度: 15階相当)
  • 破滅のクエスト1 (危険度: 15階相当)
  • 下水道 (危険度: 15階相当)
  • ログルス使い (危険度: 25階相当)
  • 柳じじい (危険度: 22階相当)
  • ダークエルフの王 (危険度: 25階相当)
  • テングとデスソード (危険度: 25階相当)
  • ミミックの財宝 (危険度: 25階相当)
  • 謎の障気 (危険度: 25階相当)
  • 湖の洞窟 (危険度: 35階相当)
  • クローン地獄 (危険度: 45階相当)
  • 古い城 (危険度: 50階相当)

所論あると思いますが、2.1.5現在のクエストは大体にしてこの辺りが時間最適な*勝利*への足掛かりとして使われているものと考えています。

一方のダンジョンはと言えば、

  • イークの洞窟で発生するクエスト「ワーグを殲滅せよ」のための、一時的な滞在(ダンジョンボスのボルドールは大体放置)
  • ピーキーな性能を持った職業で優位を保てる反攻撃の洞窟/反魔法の洞窟
  • ドラゴン系モンスターによる充実したドロップが効率的に得られやすい竜の住みか

これらを除いては大体鉄獄一本での*勝利*が多く見られるようです。現在変愚には*勝利*前に探索できるダンジョンが18ありますが、比較的多様な足掛かりとなっているクエストと比べると、ダンジョンの有用性は、寄り道そのものを目的にしていることを除けば、攻略面において乏しいのが現状でしょう。

原因を考えてみます。

他のダンジョンの攻略面での優先度が乏しい原因

問題A:入口に至るまでに手間がかかる

各ダンジョンに至るためには原則、広域マップを通らなければなりません(最近のバージョンで一応、酒場などで「噂を聞く」と帰還で飛べる対象になる機能はつきました)

広域マップでは敵の襲撃を受ける可能性があり、その判定は特に@さんのレベルが低い序盤~中盤には頻繁であり、食糧の準備なども含めた一定のコストがかかります。

問題B:*勝利*までに潜るべきフロアの数が増える

変愚蛮怒の*勝利*はあくまで鉄獄100Fでのみ生成される「混沌のサーペント」を倒してのみ到達できるものです。根本的にアイテムや経験値の充実のためにフロアを何度も上り下りすることが定められた仕様とは言え、特に浅いフロアからの開始を強いられるダンジョンを通る事は億劫になりがちです。

問題C:鉄獄以外のダンジョンで得られるものに魅力がない

鉄獄には10のランダムクエスト達成によるGREATドロップがあります。実際の所はこれも序盤~中盤は大いに貴重な一方、後半のランダムクエストはプレイヤーの判断によってはあっさり放棄される程度には魅力に乏しいものですが、他のダンジョンはさらに乏しい傾向にある事が否めません。

なにせ、決して楽とも手間がかからないとも言い難い鉄獄を除く12のダンジョンボスの内、固定アーティファクトのドロップが得られるのは3種のみ。それすらも、最終的な*勝利*の達成に寄与するかどうかは、代替策程度に留まり、鉄獄で広く収集を繰り返していれば必要な時期にはわざわざ手に入れに行く必要があるか微妙なものばかりです。

問題D:面倒で危険なギミックとそれに合わないダンジョンドロップ率

暗闇の洞窟、迷宮などは感知範囲の縮小や、常時マップの記憶が消失する点、ダンジョンの構造が迷宮化するなど、変化と言えば変化ですが、その性質はプレイヤー側へ面倒と厄介を与える性質のものです。

カメレオンの洞窟はカメレオンだらけで、敵が思いもよらない敵に変化する一方で倒した時にドロップがひたすら乏しくなります。

ガラスの城の常にガラスの地形が生成されるマップは個人的には非常に面白い試みで、鏡使いなどに有利な戦術が取れるものとおもわれるのですが、現状その具体的な手段を自分は把握していません。

これらのダンジョンの一部は鉄獄よりも通常ドロップよりも、GOODアイテム生成限界率/GREATアイテム生成限界率の値が若干高めになっていますが、それらはapply_magic()関数中にのみ反映されるもので、apply_magic()そのものが適用されるかどうかは依存しません。そのため実際の良ドロップに恵まれるかどうかは微妙なようです。

どういう調整を避けるか

以上を問題と判断した上で調整のために「何を避けるべき」かを先に提言したいと思います。それは

現状の戦略を部分最適未満にしない、ましてや不可能には決してしない。

ことです。

現状の結局のところ「鉄獄へ一直線」というのが、実プレイ時間の短縮を筆頭に、プレイの長期化による事故死の低減なども踏まえた最適なプレイになっているというのが現状でしょう。

それを例えば、DungeonCrawlを単純に模倣し、他のダンジョンでルーンを揃えなければオベロンやサーペントの下へたどり着けない、なんて仕様にするのはどうでしょうか。あるいはダンジョンの各ボスを倒さないと、サーペントのHPが通常の倍になり、ACが300になる?調整する自分がプレイを想像するだに既に御免な話です。

つまるところ、以下に列挙する調整案は、あくまで*勝利までの*より面白い全体最適が得られる可能性を求めて行うことが原則です。

その結果として現在の*勝利*までの道筋が、次善の策にランクダウンすることはあるかもしれません。しかし、調整が阻害になることは必ず避けたいと思っています。

もし今後以下の項目の調整に着手した結果、そのような陥穽に至る事があったら、ユーザから大いにツッコミを受けることでしょうし、そうならないように留意しながらやっていきたいと思います。

調整案

以下の内容を考えています。これらの内容は鉄獄以外のダンジョンのある程度大がかりな追加や削除も前提とした上で行います。

鉄獄中に他のダンジョンを結ぶ通路を生成する

さっきのDungeonCrawlのルーンシステムは、現状の鉄獄の規模として避けたい所ですが、メインのダンジョンから他のダンジョンへと相互に繋がる通路については、問題AとBを解決する手段に繋がりそうな気がします。

常にマップが記憶されるDungeonCrawlと帰還するごとに消去される変愚とは当然細かい仕様は変化します。

  • 鉄獄では、一定確率毎に他のダンジョンへの同階層に繋がる通路が生成される。
  • 他のダンジョンからは鉄獄への同階層か未クリアのランダムクエストと同階層のうち浅い方に繋がる通路が生成される。

この辺りが妥当ではないでしょうか。

ダンジョン最深層到達かダンジョンボス撃破時の報酬を魅力的にする

問題Cの対策です。

『クローン地獄』のシヴァ靴なんて前例が既にあるのですし、城のレイザーク、墓場のベクナ、火山のシューティング・スター、水没した遺跡のヨルムンガルド辺りは「職業によっては最終」クラスの固定アーティファクトを提供しても良いと思います。

クトゥルフの剣竜の鎧ももう少し、使える職業が増える程度に上方修正してもいいかも知れません。

ダンジョンボスのいないダンジョンは、新しくダンジョンを設けるか、個人的に制作しているバリアント、旧D'angbandソースで実装していた、固定フロア生成などを変愚にフィードバックし、特定のアイテムを置くなどの案も考えています。

某ゲームにならい、ダンジョンのボスから「ソウル」などが得られて、使用すると莫大な経験値が得られるとか……いずれにせよ@さん側へのボーナス要素は色々あってよいでしょう。

ダンジョン毎のドロップテーブルの多様化

問題Dの対策です。

危険な要素のあるダンジョンのドロップの実質GOOD/GREAT率を単純に上げるのもある程度は行いますが「欲しいアイテムをある程度狙える」性質などを持つと、良い形で戦略の最適性が変化するかも知れません。

ベースアイテムのタイプが変わるだけでも欲しい固定アーティファクトの狙い撃ちができますし、「図書館」などといったダンジョンで三冊目以上の魔導書を求められるのは、一部職に有利になり過ぎない程度に考えていきたいと思います。

最後に

今回の記事に関する事案もSourceForgeのチケットとして登録する予定です。その折りが来ましたら、またご意見などお寄せ下さい。

[ヴィーヤウトゥムノ]タイル作成計画94(0911-0920)

追加分。

2

[ヴィーヤウトゥムノ]タイル作成計画95(0921-0930)

追加分。

3