2016/12/19
■ [変愚蛮怒/開発] 変愚蛮怒2.4.0系リリースまでの間に検討したい調整案1『敵打撃の調整』
最初に
本記事はRoguelike Advent Calendar 2016 の19日目の記事です。
目的は12/3の記事で書いた「変愚蛮怒2.4.0(3.0.0?)のリリース」について、じゃあ具体的にどんな調整をしたいのか、をまとめてみようと言うシリーズ記事の皮切りです。
とりあえず来年の事を話すので、鬼の代わりにウチのいつものバルログ悪鬼BBA共笑わせておいたり。
さて前提としてまずこちらのスポイラー記事をご覧ください。
- モンスター打撃の効力一覧(変愚蛮怒 ver2.0.0)
- 傷と朦朧処理の流れ(変愚蛮怒 ver2.0.0)
- 私選・打撃のクッソ汚いモンスター/1-44F編(変愚蛮怒 ver2.0.0)
- 私選・打撃のクッソ汚いモンスター/45-50F編(変愚蛮怒 ver2.0.0)
- 私選・打撃のクッソ汚いモンスター/51-75F編(変愚蛮怒 ver2.0.0)
- 私選・打撃のクッソ汚いモンスター/76-127F編(変愚蛮怒 ver2.0.0)
- earthquake_aux()関数による地震処理の流れ概要(変愚蛮怒 ver2.0.0)
- 私選・打撃のクッソ汚いモンスター/地震追補編(変愚蛮怒 ver2.0.0)
流石に当時覚えたての淫夢語録をホモガキのように並びたてた件は後でサイレント修正するとしまして、打撃のあれこれは以前よりこうして明かしてきました。現状ローグライク特有のスリリングな刺激に一役買っている面があることは間違いないでしょう。
が、一方でいくらなんでもおかしいのではないかと言うくらい飛び抜けた打撃能力を持つ者、逆に一部のモンスターが明らかに割を食って酷い有様になっている面も否めません。
クッソ哀れなワンちゃん達
具体的に例を挙げれば、カルハロス、フェンリル、ケルベロスなどの狼系の深層ユニークです。彼等は原典の物語上、極めて強大な魔獣であり、その打撃などは例えば同層に匹敵する巨人や神々などにとっても、本来手の付けられない域であるはずです。それが現状、単純な打撃ダイスは中盤の危険ユニークにすら劣る程度にとどまっています。(一時無計画にテコ入れしたこともあったのですが今一つ焼石に水でした)
- カルハロス
彼は 10d10 のダメージでひっかいて攻撃し、 10d10 のダメージでひっかいて攻撃し、 18d5 のダメージで噛んで毒をくらわし、 18d5 のダメージで噛んで毒をくらわす。
- フェンリル
それは 20d6 のダメージで噛んで攻撃し、8d3 のダメージでひっかいて攻撃し、 8d3 のダメージでひっかいて攻撃し、 20d6のダメージで噛んで攻撃する。
- ケルベロス
それは 9d12 のダメージで殴って燃やし、 9d12 のダメージで殴って燃やし、 9d12 のダメージで殴って燃やし、 9d12 のダメージで殴って燃やす。
彼等の打撃は明らかにワッハマン、破壊スル者といった敵に劣ります。
- ワッハマン
それは 30d9 のダメージで殴って攻撃し、30d9 のダメージで殴って攻撃し、 30d9 のダメージで殴って攻撃し、30d9 のダメージで殴って攻撃する。
- 破壊スル者
それは 30d9 のダメージで殴って攻撃し、 30d9 のダメージで殴って攻撃し、 30d9 のダメージで殴って攻撃し、 30d9 のダメージで殴って攻撃する。
どれがどの位強くあるべきかはある程度論が分かれるでしょうが、明らかにフレーバーには反しています。しかもこの中で、一見ダイス期待上にはマシに見えるケルベロスが実は一番悲惨だったりすることは、あまり直感的に分からないでしょう。
ELEC/ACID/FIRE/COLDなどの四元素攻撃は、アイテムの破壊などのデメリットはプレイヤーにとって地味な脅威になる反面、序盤もある程度差し掛かった時点から既にダメージの1/3を緩衝され、終盤に至っては1/9にまで落とされることも全く珍しくありません。なのでこの中でも特にケルベロスは、火の二重耐性を張った終盤の屈強なプレイヤーに対して甘噛みのような有様でしか打撃を発揮できないのです。
クッソ汚い打撃のユニーク再び
一方の劣化や混乱などのAC緩衝を全く持たない打撃は、時々異様に飛び抜けた被害をプレイヤーにもたらし、それらが特に朦朧効果に直結する種類であった場合、プレイヤーがどんなに強化されていても、接近戦1ターンでその後の行動が不能になる「意識不明瞭」に到達する恐れがあります。これが終盤の「初見殺し」になっていることは、ゲームのローグライクとしての性質を含めても、あまり肯定的に見ることは出来ないでしょう。
あるいは「予め『調査』しなかったのが悪い」「始めて対峙する敵に対して警戒しないのが悪い」のは確かですが、今度はその基準の見定め方がフェアでないようです。
例えば、共に1ターンで意識不明瞭級の結果を弾き出す可能性が高いクトゥルフの落とし子とケンシロウの打撃が以下の通りです。
- ケンシロウ
15d15 のダメージでパンチして攻撃し、 15d15のダメージでパンチして攻撃し、 30d1 のダメージでパンチして恐怖させ、 15d15のダメージで蹴って攻撃する。
- クトゥルフの落とし子
それは 1d30 のダメージでひっかいて毒をくらわし、 1d30 のダメージでひっかいて酸を飛ばし、 1d10 のダメージで触って魔力を吸い取り、 2d33 のダメージで体当たりして劣化させる。
ケンシロウの打撃はダイス目が全体的として徹底的にはねていますし正直に脅威です。それでも朦朧の観点からすると、本当に怖いのは一見ダイスの期待値の低い30d1だったりしますがそれは分かりづらかったりします。
クトゥルフの落とし子は何となくダイスの面が大きいだけで、脅威には見えないのですが実際の危険性は親の偉大なるクトゥルフ以上にあることをこれから見分けるのは困難です。
- 偉大なるクトゥルフ
50d4のダメージで体当たりして攻撃し、 15d2 のダメージでひっかいて充填魔力を吸収し、 15d2 のダメージでひっかいて劣化させ、 100d1 のダメージで触って病気にする。
50d4や100d1なんて気味の悪いダイスが混じっていながら、親クトゥルフは実際の所、終盤、多少でも接近戦のできる職ならば無難に倒せる程度の脅威です。
一方、クトゥルフの落とし子の「2d33 のダメージで体当たりして劣化させる」がAC緩衝のない「劣化」で常に朦朧効果を行う「体当たり」で、高確率で「ひどく朦朧」、場合によっては低確率ながら他の打撃試行と併せて1ターンで「意識不明瞭」に持っていくことをこれで読み取るのは、ソースを読まない限りまず無理です。
明らかにやばいのはクトゥルフの落とし子位なんだからさっさと直せというのはごもっともなので、2.2.0の間にも直しておきますが「調査」を繰り返したり、モンスター仙人から金を払って得られた情報がこれでは、脅威のものさしになっていないのが現状ではないでしょうか。
対応案
これらを踏まえて2.4.0では以下の方針を考えています。一部はかなり昔にIRCで話し合った結果でもあります。
- 値の修正は全モンスターの範囲から見直す
- Moria/Angbandの大人しい頃から未修正のままのモンスターとZang/変愚の頃のインフレ期に追加されたモンスターとの格差が酷いので、ここで一度埋め合わせる
- 進化関係も変愚から追加された中、打撃重視のモンスターにも拘らず、進化の結果弱体化している例もあるようなのでそれも見直しの基準にする
- ダイス目の期待値である程度直観的な危険性が分かるように打撃計算を変える
- どの打撃属性でもAC軽減の対象にする
- ACで軽減される打撃の属性がごく限られているため、実際の脅威がダイス目の大きな通常属性<ダイスの小さい状態異常属性になっているケースがほとんどになっているのが直観的でない原因の一つとみる
- 元素属性のダメージは「耐性を持っていると大幅に減る」のではなく「耐性を持ってないとダメージが増す」ように計算する
- プレイヤーの焼棄などによる元素打撃ボーナスと感覚は同じになる
- 結果として通常の打撃の方が脅威という事態を回避できる
- それで強くなり過ぎないようにダイス目の調整はもちろん行う
- どの打撃属性でもAC軽減の対象にする
- 傷と朦朧の脅威を分かりやすく表現する
- 特にパンチ、キックが確実に朦朧処理が加わる打撃種別というのはわかりづらいと思うので何かより脅威である形に表現を変えてみる
- 傷と朦朧の蓄積処理を簡易化しつつ脅威としては弱体化させる
- 傷は店売りの一発でも対応できるが、朦朧で意識不明瞭はローグライクのシステム上まずいので、到達の閾値を大きく上げるか、さらに減速程度に留める。
以上、現在の考えです。
最後に
今回も含めた本シリーズの記事は追々SourceForgeのチケットとしても登録しつつ進捗を明かしていくことにもなると思います。その折りが来ましたら、またご意見などお寄せ下さい。
次回はdis-氏の「Roguelikeゲームはどこまで煩雑であるべきか?」です。
■ [ヴィーヤウトゥムノ] [U] サイバーデーモンの王『Oremorj』/Oremorj the Cyberdemon Lord (Umber'U') 修正&着色
=== Num:843 Lev:89 Rar:4 Spd:+20 Hp:9000 Ac:90 Exp:50000 最強のサイバーデーモンで、彼らの王であり支配者である。 それは通常地下 89 階で出現し、少々不規則に、かつ非常に素早く動いている。 この邪悪なるデーモンを倒すことは 50 レベルのキャラクタにとって 約85576.92 ポイントの経験となる。それはロケットを発射することがある。それは魔法を使 うことができ、サイバーデーモン召喚の呪文を唱えることがある(確率:1/3)。そ れは AC90 の防御力と 9000 の体力がある。それは炎と毒の耐性を持っている。 それはテレポートされない。それは侵入者に対してあまり注意を払わないが、 900 フィート先から侵入者に気付くことがある。それは 4 個までの特別なアイテムを 持っていることがある。それは 2d50 のダメージで殴って攻撃し、 2d50 のダ メージで殴って攻撃し、 2d50 のダメージで殴って攻撃し、 2d50 のダメージで 殴って攻撃する。
アッキ=ニンジャ『ウルウェン』
元ネタの人、比較的痩せている写真もあるんだよなあ。
西オークの土侯『ゴルフィンブール』
大家な方ですし、露出の写真が長期に渡るのは当然でしょうな。
■ [ヴィーヤウトゥムノ] 赤顎狼『カルハロス』/Carcharoth, the Jaws of Thirst (L.Dark 'C') 修正&着色
=== Num:850 Lev:92 Rar:2 Spd:+20 Hp:7500 Ac:110 Exp:30000 カルハロスはアングバンドの第一の防衛者であり、「赤い顎」という呼び名で知 られている。彼はかつて地上に存在した中で最も巨大な狼であり、高い知能を備 え、戦闘に際しては冒険者は死を覚悟せねばならない強敵となる。 彼は通常地下 92 階で出現し、少々不規則に、かつ非常に素早く動いている。こ の自然界の邪悪なるモンスターを倒すことは 1 レベルのキャラクタにとって 約920000.00 ポイントの経験となる。彼は炎に包まれている。彼は火炎のブレス を吐くことがある、なおかつ的確に魔法を使うことができ、脳攻撃、恐怖、治 癒、ハウンド召喚の呪文を唱えることがある(確率:1/4)。彼は AC110 の防御力と 7500 の体力がある。彼はドアを開け、ドアを打ち破り、弱いモンスターを押しの け、アイテムを拾うことができる。彼は炎と毒の耐性を持っている。彼は混乱し ないし、眠らされない。彼は侵入者を幾分注意深く見ており、 800 フィート先か ら侵入者に気付くことがある。彼は一つか二つの上質なアイテムを持っているこ とがある。彼は 10d10 のダメージでひっかいて攻撃し、 10d10 のダメージでひ っかいて攻撃し、 18d5 のダメージで噛んで毒をくらわし、 18d5 のダメージで 噛んで毒をくらわす。
鬼畜大佐『ロムンクァリィ』
↑の記事でダシにしているんだから、 この子もいい加減救済されるんでしょうね?強さが。
西オークの土侯『ゴルフィンブール』
西の伝承では下手をすると我らが大祖神メルコールより 派手な暴れぶりを見せておりますからな。あのベレ某やらルシ某やらの ポエットな展開のために露骨に誇張された節もありますが。