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SikabaneWorksが関係するコンテンツ(主に*band系ローグライク)の開発近況・補足から全く個人的な雑記まで。

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2013/12/07

[変愚蛮怒/元ネタ探訪]マンリー・ウェイド・ウェルマン『悪魔なんかこわくない』

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最初に

Romunqualy

鬼畜大佐『ロムンクァリィ』
はぁい。変愚に登場するマイナーな元ネタを探り当てて
色々紹介して行こうという変愚蛮怒元ネタ探訪。始めるわよ。
第一回は数ヶ月前のこ↑れ↓

Urwen

アッキ=ニンジャ『ウルウェン』
本当は↑の絵描いた一週間後くらいにはAmazonの中古で購入したのが
届いていたんだが、中の奴が積んでたんだよなあ…

Romunqualy

鬼畜大佐『ロムンクァリィ』
という訳でマンリー・ウェイド・ウェルマン
『悪魔なんかこわくない』(深町眞理子訳)
実はビハインダーだけでなくカルヴァリンも本作収録の
エピソード「ヤンドロー山の頂の小屋」中のモンスターでした。

Urwen

アッキ=ニンジャ『ウルウェン』
プレイヤーにしてみりゃレア度100で御目にかかったことすら
無さそうなビハインダーよりも、カルヴァリンの射撃連発の方が
余程印象深いだろうな、トラウマチックに。
で、原作としてはどんな感じなんだ?

Romunqualy

鬼畜大佐『ロムンクァリィ』
…アメリカ版、地獄先生ぬ~べ~。

Urwen

アッキ=ニンジャ『ウルウェン』
なんだそりゃ。

概略

 当初、ビハインダーというネーミングや、それが変愚中でEldritch Horror持ちであることから、クトゥルフ的なノリであると安直な先入感を持っていたものの、実際はTwitter中で予想指摘された通り、完全にフォークロアに分類される作風だった。一応クトゥルフ的な異世界を想起させる「かたちんば」(表紙絵の構図はこのエピソードのもの)や「松林のなかのおののき」なる話もあったが、これはクトゥルフ系というよりは、むしろクトゥルフが題材の一環とするような、共通の都市伝説と根を同一にしているものだろう。

 訳者あとがきによれば、作者ウェルマンはアンゴラ生まれで第二次大戦後アメリカに移住、50年代にアパラチア山脈一帯の民間説話やバラッド曲などを調査して回り、それらを構成して本作の各エピソードを仕上げたのだという。

 本作品の構成は雑誌掲載した11編の間に1~2ページほどのさらにショートショートなエピソード(スケッチと呼ばれる)を10篇挟んで構成、従軍経験を持ち(彼の推定年齢と時代的には第二次大戦)今はあてなく各地を旅するバラッド歌手ジョンの体験談として綴られている。

 銀の弦を張ったギターで即興の歌を周りに披露するジョンは、基本的に飄々とした態度を取りながら、特にスケッチ中のエピソードでしばしば鼻につくレベルの化け物退治や射撃の腕を見せる。プライドの高い金持ちの女にストーカーされたりする分にもかなりイケメンらしい。何とも出来過ぎな主人公で、それこそ変愚の世界に迷い込んで吟遊詩人@をやっても遜色ない存在かも知れない。

 先のクトゥルフ的な色合いも含めた「かたちんば」「松林のなかのおののき」も含めて、実にエピソードの種類は広範だった。魔女術の類を行使するいやらしい村の厄介者、超心理学的な力とオカルトを交えた時間逆行、ケンタウロス、吸血鬼的不死者が唐突にスケッチに現れたり、ともかく当時の移民の国、アメリカの田舎に入り混じり得る話がふんだんに盛り込まれている。この辺りのノリがまさに日本ならば、同じく神話から昔話、都市伝説まで取り扱ってきた地獄先生ぬ~べ~辺りのノリに近く、そういう形でそれなりにとっつきやすい感があった。

カルヴァリンとビハインダー

Urwen

アッキ=ニンジャ『ウルウェン』
ほー、で、結局カルヴァリンとビハインダーの描写は作中どんなんだ?

Romunqualy

鬼畜大佐『ロムンクァリィ』
変愚中のフレーバーではまだ言及されていない部分を、
「ヤンドロー山の頂の小屋」から引用しようかしら、
エピソードの内容自体は、欲深な男とその孫のインガオホーで
片付くような話よ。すっげえありがち。

ごん、ごん、ごん、《トーラー》が叫び、そしてミスター・ヤンドローの
すぐ目の前に、《カルヴァリン》が百足のような足でのたりと這い出した。
そいつはとがったくちばしを伸ばすと、礫(こいし)を吐いた。それがごちんと
ミスター・ヤンドローの頭にぶつかるのが聞こえた。彼はよろめいて、尻餅を
つきそうになった。

Urwen

アッキ=ニンジャ『ウルウェン』
お、カルヴァリンはいかにもそれっぽいな。
変愚であっという間に@を地獄に叩き込むのと比べると、
一発頭に軽いのくれてやるだけとか随分良心的に見えるが。

Romunqualy

鬼畜大佐『ロムンクァリィ』
主人に殺すんじゃなくて、生け捕りにすることを命じられてるからって、
とこじゃないかと思うわ。で、問題のビハインダーなんだけど。

《ビハインダー》がミスター・ヤンドローの肩にとびついたのだ。
なぜだれもそれを見たことがないとされていたのか、そのときおれはさとった。
おれも見なければよかったという気がする。いまにいたるも、その光景が
目に焼きついて離れないし、おそらく一生忘れないだろう。とはいえ、
それについて語るとなると、また話はべつだ。とてもそんな気にはなれない。
どうかごめんこうむりたい。

Urwen

アッキ=ニンジャ『ウルウェン』
は?(威圧)
何だテメエ、スカしたノリの癖に何軟弱なこと言ってんだタコス!

Romunqualy

鬼畜大佐『ロムンクァリィ』
ま、SAN値が減るくさい代物、って以上は結局わかんないってこと。
さて、中の奴どう描き直す気なのかしら(マジキチスマイル)

Urwen

アッキ=ニンジャ『ウルウェン』
これだから、モータルは。ってそういえば《トーラー》って何だ?

Romunqualy

鬼畜大佐『ロムンクァリィ』
カルヴァリンやビハインダーと同じ主に仕えているらしい、
ヤンドロー山の珍獣ってとこね、他にもフラット、バマット、スキム
とか、あんまり描写も明確でない生き物が闊歩してるって話だったのよ。

Urwen

アッキ=ニンジャ『ウルウェン』
変愚に出そうか。

Romunqualy

鬼畜大佐『ロムンクァリィ』
無理無理、産めない産めない!ンァー。