トップ «前の日記(2013/02/14) 最新 次の日記(2013/02/16)» 編集

SikabaneWorksが関係するコンテンツ(主に*band系ローグライク)の開発近況・補足から全く個人的な雑記まで。

[WEB:屍の見える丘公園]| [RSS]

Angband | Badiashimshe | C# | CRAUZEL | D'angband/小説草稿 | D'angband/開発 | DarkSouls | Demon'sSouls | DungeonCrawl | ElvenUteruses | Haskell | Hengband | J9シリーズ | LEGO | LineDrawing | MISC | MTG | Mac | Math | Moria | R-18 | Roguelike | Rough | RoughSketch | Ruby | SDL | UNIX | VMware | WarHammer | Zangband | アタシラヂョウヲウ | イラスト | ガジェット | ゲーム | ゲーム紹介 | ゲーム製作技術 | ゲーム論 | スケッチ | ツクール | テクノロジー | ニコニコ動画 | ファルコム | ファンタジー | マリオ | ヴィーヤウトゥムノ | 別記事追加予定 | 変愚蛮怒 | 変愚蛮怒/スポイラー | 変愚蛮怒/元ネタ探訪 | 変愚蛮怒/攻略 | 変愚蛮怒/開発 | 宗教 | 情報 | 政治 | 文字コード | 日ペ昔話 | 東方 | 東方ワンドロ | 東方外法漢女 | 歴史 | 漫画製作 | 版権絵 | 画像処理 | 翻訳 | 自然言語 | 艦隊これくしょん | 落書き | 言語解析 | 読書 | 超人ロック | 追記予定 | 通信 | 鉄獄旅慕情 | 阿片窟 | 馬鹿馬鹿蛮怒/開発 | 魔法少女まどか☆マギカ | 魚類版深夜の真剣お絵描き60分一本勝負


2013/02/15

[ゲーム論][翻訳]ローグライク的なゲームとは何かを考察する(Berlin Interpretation翻訳編)

とりあえず、出発点としてWikipedia日本語版の記事英語版を適当に斜め読みしてみる。ああ、International Roguelike Development Conferenceなんてものがあるのか。と思って、参照リンクなんぞたどってみたら、おい、何か海外ではこういう「研究」とか随分と確立してるようではありませんか。

井の中な自分のチンケな考察を述べる前にこういったものをとりあえず、一通りさらっておいた方が、怪我も少なくて済むことは経験則的に分かっているつもりである。Berlin Interpretationとやらをとりあえず可能な限り翻訳(ほとんど意訳)してみることにした。ツッコミあれば是非プリーズ。

解説

この「ローグライク」定義はInternational Roguelike Development Conference 2008で作成され、参加者全員の議論を通じて得られたものである。http://www.roguetemple.com/roguelike-definition/での定義がその議論の端を発した。ほどんどの要素は(既存のものを)書き直したもので、それにいくつかを加えるなり、削るなりを行なった結果である。

一般原則

「ローグライク」はジャンルとして確立したもので、単なる「(初代)Rogueっぽいもの」とは異なる。このジャンルとしての呼び名は「カノン」と呼ばれるようになったのと同様で(狭義の「カノン砲」がその後広く大型の火器全般を指すようになったということか)、「カノン」にあたるのが、ADOM、Angband、Crawl、NethackそしてRogueなのである。

以下に示されたリストは「ローグライク」とは何かを決定づけるためのものである。いくつかその要素が欠落しているからといって、そのゲームが「ローグライク」でないとは言わない。ただ同様に、いくつか当てはまっているからといって必ず「ローグライク」である事を意味しない。

この定義の目的は「ローグライク」のコミュニティで研究していることをよりよく理解するためのものであり、「ローグライク」ゲームやその開発者を抑圧するものではないのである。

高位な要素

ランダムな環境の生成

繰り返し遊ぶことができるよう、世界はランダムに生成される。ただし、位置関係やアイテムがランダム生成される一方で、モンスターや話の筋書き、パズル要素、バルトなど、固定要素もある。

恒久的な死

最初のキャラクターで勝利を得られると思ってはいけない。死んだ時にはスタート地点に戻される。セーブはできるが、ロード時にデータは消去される。ランダムな要素はプレイヤーを苦痛にするものでなく楽しませるものである。

ターン制

一つのコマンドは一つの移動、動作とされる。「ローグライク」では焦ることなく、一つ一つのコマンド選択に慎重に時間をかけられる。

グリッドフィールド制

世界は統一されたタイルの格子で表現される。モンスターもプレイヤーも一個のマス目を占有し、サイズは問わない。

モード性がない(訳注:?原語Non-modal)

移動、戦闘や他の動作は常に同じ効果を産めるべきである。あらゆるアクションはゲームに有用な要素であるべきだ。ADOMのワールドマップや、AngbandやCrawlの店はそれらに反している(訳注:?)

複雑性

「ローグライク」は一つの目的に複数の解決法がある程度の複雑性を持っている。あらゆるアクションはゲームに有用な要素であるべきだ。ADOMのワールドマップや、AngbandやCrawlの店はそれらに反している(訳注:何故?)

資源管理

食料や回復薬といった限られた資源を管理し、それらを確保するための使い道を考えなければならない。

ハック&スラッシュ性

多くの「ローグライク」に見られることだが、モンスターの大量殺害は「ローグライク」の重要な要素の一つである。「ローグライク」はプレイヤーとゲーム世界の対決であって、モンスター同士には敵意や交渉事はない。

探索と発見

「ローグライク」はダンジョンの慎重な調査や、未鑑定なアイテムの用途の発見をプレイヤーに求める。プレイヤーが新しくゲームを始めるごとに、何か新しいものがなければならない。

低位な要素

単体のプレイヤー

プレイヤーは単体のキャラクターを操作する。ゲームはプレイヤーを中心に動き、一体のキャラクターによって世界が捉えられる。キャラクターが死ねばゲームは終わる。

モンスターはプレイヤーと同様であること

装備やアイテム、魔法など、各ルールがプレイヤーにもモンスターにも同様に適用される。

戦術的挑戦

満足する成果を得るためには戦術を学ばねばならない。それも反復を伴うもので、前持って得た情報は後の問題解決にはならない。(「ランダムな環境の生成」や「恒久的な死」により、「ローグライク」は常に新しいキャラクターでの挑戦を求める)このゲーム的方向性が戦術的挑戦を求め、大図面を見る戦略的なゲームやパズルとは性質を異にするのである。

ASCII表示

「ローグライク」は伝統的に、ASCII文字に敷き詰められた世界で表現される。

ダンジョン

「ローグライク」は、階段や回廊などによって結ばれたフロアによるダンジョンを持つ。

数値性

HPや属性などいった要素が数値的にはっきりと示される。

訳者としての小学生並の感想

どうも自分の翻訳の技量不足もありそうなのだが、それ以上に原文が今ひとつ綺麗にまとめられていないような印象がある。

一応「全部当てはまってないからといって、ローグライクでないとは限らないし、逆に一部合っていたってローグライクじゃないよね」と断っているものの、大半の面白い/認知度の高いローグライクはこの手の原則をむしろ破っているケースが多すぎてやはり参考にならない。

さらに印象を言えば、正直原始的なRogueの要素を表層的に抜粋しただけに過ぎないようだ。挙句、ADOMやAngband、Crawlが原則に反してるって仮にも客観的な定義にしつこく書くのは何故なんだw。

最初の断り書きの英語らしからぬ妙なしつこさも相まって、どうもこの定義はgdgdしたディスカッションをまとめ切れず、何となく原理主義的で未分化な公約数をなあなあで列挙したものではあるまいか?

正直翻訳して損したかも知れないと思いつつ、話を次回に続けようかなと思う。

[落書き]とりあえずしゃぶれ

話はそれからだ