2012/12/23
■ [変愚蛮怒/スポイラー]モンスターの増殖処理と不具合らしい何か(変愚蛮怒 Ver2.1.1)
- 増殖処理はmultiply_monster()関数で実装されており、MULTIPLYフラグ持ちモンスターの自然増殖、及びクローン・モンスターの作用双方に利用されている。
num_reproカウントによる制限
- MULTIPLYフラグによる自然増殖には限界があり、フロア毎に共用のnum_repro変数によるカウントがMAX_REPRO(マクロ定義で100)値以上になると生成がキャンセルされる。num_reproは以下の処理で増減する。
- 生命領域魔法か突然変異レイシャル「不毛化」の発動で+MAX_REPRO、つまりこの後自然増殖を一切しなくなる。
- MULTIPLY持ちのペットが配置されると+1。
- MULTIPLY持ちのモンスターが削除されると-1。
- MULTIPLY持ちのモンスターが生成されると+1。
つまり、@さんが不毛化をかますか、規定数以上のMULTIPLYモンスターが存在する状態だと、モンスターの自然配置がクローン・モンスター、召喚などの意図的生成以外でMULTIPLYモンスターは生成されなくなる。特にややこしい増殖モンスターである「混沌」や「長老岩」が眠っている間に、そこらでぷよやイモムシの大群などを増殖しておくと、増殖を阻止できるかも知れない。
自然生成処理の条件
上記の条件で自然増殖が可能であった場合、さらに以下の条件とプロセスでmultiply_monster()の実行が行われる。
- モンスターのターンが回る毎に増殖判定。
- *自分自身*と周囲一マスを走査して、隣接モンスターの数をカウントする。ただし@さんが呪術領域魔法の「反増殖結界」発動中でその抵抗に失敗すると隣接モンスター数が擬似的に8となって、後述の形で増殖が必ず失敗する。
- 隣接モンスター数が1以上4未満なら1/(隣接モンスター数*8)の確率でmultiply_monster()実行、0なら無条件にmultiply_monster()実行。
multiply_monster()の処理の流れ
- mon_scatter()関数により、周囲1マスから一つ増殖可能なマスを見つける。mon_scatter()がポインタ渡しで返す座標の基準は以下の通り。
- (当然だが)フロア内のサイズ内に収まった座標であること。
- モンスターの射線内にあること(今回は周囲1マスなので常に通る)
- そのマスが増殖モンスターにとって侵入可能地形であること。
- 以上を満たしたマスの内、ランダムに一つ選択する。
- 増殖先が見つかったらその位置にplace_monster_one()関数で同じ種族のモンスターを配置する。
微妙な現象
これまでのバージョンで、通常の移動が不可能(NEVER_MOVE)かつ、増殖する(MULTIPLY)モンスターが、以下のように2x2でスクラムを組んだまま、増殖がずっと止まりっぱなしになる様子を見かけたプレイヤーは多いと思う。
これは上記で述べた、周囲のモンスターの数に応じて増殖を抑制する際、増殖元モンスター自身を数に入れてしまっているために隣接数4となり、互いに増殖を停めてしまった基本例である。恐らくこれはバグと見るべきだと思うのだが、今後修正するかは公式の開発陣と相談して決めたいと思う。
■ [D'angband/開発]D'angband開発日誌 part35
進展内容
- リファクタリング
- 冗長なコメントの削除(2012/12/19~)
- ifdef JP による煩雑なローカライズの統合(2012/12/19~)
- grep数3995まで減らす。
- データ構造の改良(2012/12/22~)
- 関数構造の改良(2012/12/22~)
- sanity_blast()/have_nightmare()の多重実装をsanity_blast_aux()に一時統合
- 魔法効果処理の統合(2012/12/23~)
- 職業レイシャルの処理をtrait系に統合。
- 変数名の変更(2012/12/22~)