2011/01/31
■ [*band][スケッチ]Angaserce, Soldier of Iron and Blood 'U' (Maia Form)
バルログ鍛冶師
二次創作設定
二本の灯火の時代。最初にして最も多数のマイア達がバルログとなって離反し、メルコー ルに忠誠を誓った折、彼らはウトゥムノより掘り出した巨大な鉄塊に己が新たなる名をそ れぞれに刻みつけた。メルコールはそれを手ずからヴァラールの元へと投げ打ち、己と共 に創造主エルへの不服を抱く者がいる事を誇示したという。 エルフ達が生み出したよりもさらに古いメルコール発案の文字がいかなるものであったか、 アマンの民は語ろうとはしないが、少なくともそれはヴァラールやマイアールに判別可能 なものであった。マイアの一人がその名を一つ一つ読み上げた折、アンガセイスの名が上 がった。その瞬間、鍛冶の司アウレは、普段の温厚な調子には考えられないほどの声を張 り上げ、それを否定せずにいられなかった。 アウレの徒弟達において、アンナタール(サウロン)を筆頭に後のクルモ(サルマン)ま でを含め、反逆に加わる者の多きこと甚だしきは通説に伝えられる通りである。しかし、 当初よりぎらついた野心を公然と示していたアンナタールや、その他の堕落者と比べれば、 アンガセイスは明らかに高潔で無欲恬淡な人物であった。 彼はアウレの鍛冶場の管理を良く務め、アウレの作業がいつでも行えるように火種を常に 灼熱に保っていたという。しばしばアウレよりもメルコールの作風に興味を抱く者が多かっ た中でも、彼は見向きもせずアウレの地道な工芸を助けた。その彼が何ゆえメルコール側 に出奔したのか、アウレ自身にはあるいは心当たりがあったと思われるが、やはり伝承に は残されていない。