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SikabaneWorksが関係するコンテンツ(主に*band系ローグライク)の開発近況・補足から全く個人的な雑記まで。

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2011/01/15

[*band][ファンタジー]真の糞尿ファンタジーが取るべき戦略は何なのか

古き糞尿の記憶

ウィザードリィのSir-techがゲーム発売元としての18年の歴史に終止符

Sir-techがアポーンするのはけしからん

PSでFF7だ8だと大多数のCRPGファンがにぎやいでいたであろう頃に、その裏で発狂していたWizファンの絶叫である。正直、そういう世代のファンの代弁者として例示するには、かなり問題のある文調であると思うし、書いている当人も大いに自覚しているのだとは思うのだが、今回の話題で訴えたい所の材料にはなるので、敢えてリンクを張らせていただく。

いや、過激な事ぬかす管理人も小学校の頃は糞尿を楽しんでました。

自分のファンタジー歴も糞尿とやらから始まっている。初めて自力でクリアしたのがドラクエ4である。その後、ドラクエ5、FF5、FF6の辺りで一旦飽き始め、ロマサガ2&3とライブ・ア・ライブあたりでド肝を抜かされて一時返ってきた。その後FF7あたりからは32bitハードの購入が遅れたことも相俟って再びついていけなくなっている。(その間PC-98&Win95でSLGをやるか、足りない能力とツクール&C言語を駆使して作る方に回っていた)

映画版LoTRにも封切り当時にはあまり興味を抱かず、本格的に上記筆者がファンタジーと認めてくれるであろう素地を身に着けたのは、実に変愚蛮怒が1.6.2までバージョンアップしているのに手をつけ、テキスト画面の奥に見える多くのフレーバーに興味を感じ始めたその時からだった。ファンタジー愛好家としては所詮にわかである。

真の糞尿を求めるスタンス

市場原理から本格的CRPGは商業ベースのコンピュータゲームから
消え去る可能性が非常に高いんじゃないだろうか

はや10年近く。少なくとも、メジャーな商用上でTRPG的な伝統を強く受けついだタイプのRPGは、多分彼らが認めてはくれないであろうわずかな亜流を除いて根絶されていると見て仕方ないかも知れない。線引きには議論の余地があると思うが、MURAMASAアクワイアを少なくとも彼らがそれと認めるようには思えない。彼らが求めているのは紛れもなく「隣り合わせの灰と青春」の空気であり、多少リアルタッチの絵柄になっていてもこんな小奇麗な鎧をまとった冒険者などレジャー施設の衣装に過ぎまい。

そう、一度D&Dやウォーハンマーの世界に毒されてしまった者は、真に「糞尿まみれの世界」を求めてやまない。そこでは、口で必殺技を叫ぶ美少年戦士や、英語だかなんだか分からない魔法を叫ぶ美少女魔法使いも、運命に導かれた少女なんぞ一刻たりともその小奇麗な形を維持してはいられまい。変愚だったら、戦傷兵士に頭からどつかれて死ぬか、獰猛なワタリカラスにつつかれて死ぬか、盗賊クエストで見習盗賊や追いはぎに、惨めな慰み者にされるかのいずれかだろう。萌えの欠片もないガチムチハーフオークの女戦士や、純ログルスに頭をつっこんでネコ耳どころか怪しげなものをわじゃわじゃ生やしだした獣人のメイジ、ドロドロに腐り果て、苔や蛆が生していてもまだ暴れまわるゾンビのレンジャーこそがまず穢れた大地に立つ資格を持った世界である。

そんな彼らですら、当然というかCRPG的なものはおろか、『指輪物語』的な運命に導かれ(守られて)いるなんて保証はない。善だろうと悪だろうと、一切の観念論は何も彼らの命の存続を確かにしてはくれない。ただシステマティックに、極限までに相対化されたゲームルールという〈秩序〉の中で、ダイスの〈混沌〉に翻弄される。その中で彼らはまず、己の命を繋ぐことを最優先としなければならない。自分の餌食に出来る敵だけを着実に葬っていく狐の狡知と獅子の暴虐性を常に併せて発揮して成長してゆく。実力に比例した緊張と配慮がなければ、その長く呪われた旅の途上で確実に死ぬのだ。

そんな世界を生き抜く一介の戦士が、たとい旧世界の邪神達とも渡り合えるほどの、冗談抜きで神以上の存在になろうとも小奇麗に映るものか。ハイエルフ(トールキンの由緒ある《気高い》エルフ)だろうと、アルコン(天使)だろうと、その戦いが壮絶で興奮できるものであろうと想像すればするほど、むしろその姿は汚くなっていくはずだ。なんとなれば彼らにまとわりついている返り血や腸、泥や「糞尿」は、それらの世界を表現するのに欠かせない要素だからだ。バイオレンスの描写に過剰になりすぎた嫌いはあるが、古き良きファンタジーファンが求める所の方向性はこの泥臭さにあると断言していい。求めているのはひたすらに正しく糞尿に塗れた世界を愉しむことなのである。

真の糞尿を伝道するために

こんな糞尿ワールドが、なまっちょろい糞尿に認められようというのは、正直生半可なことでないのは分かりきっていることである。Sir-techの倒産も必然。日本よりもはるかのこの糞尿が広く愉しまれている欧米ですらこれが言う所と大仰には変わらない現実があるはずである。

http://www004.upp.so-net.ne.jp/babahide/library/violence.html

RPGをいくらデザインしても儲からない。6ドル95セントのルールブッ
クが一冊売れても、俺の手に入る印税は5%、わずか35セント。それも、
良心的な出版社の場合だ。この腐れ業界には2〜3%しかよこさないケチな
連中も横行している。これじゃ俺は家賃の支払いさえままならない。それと
いうのも、ゲームマスターが1冊だけ購入したルールブックを使って何人も
のプレーヤーがロハで遊ぶせいだ。この豚野郎ども! くたばりやがれ!
────────『バイオレンス』ルールブックより

ましてや日本では、二次エロ本に申し訳なくルールを添えつけたようなものでもないと売れない現実がある訳で、こんな状況下からテキストローグライクのエッセンスをその本質を損ねないままに、流行らせようとか必死になってる身には、もう今更こう愚痴っても仕方ねえっていう一種の諦めとその上での方向性が、まあそれなりにある訳で。

そんな中、Zang→変愚の流れでFFの各種ジョブ(赤魔さんやものまね師)や、ガチャピン、はかぶさの剣などのネタを盛り込んで、長らく多くのユーザーに愛された事は救いだと思うんですよ。ここからさらに何かを切り崩していけば、何か目がある。そう思いながらD'angとか作ってるつもりなのでありました。