2010/09/14
■ [読書][H+]J.B.S.ホールデン『人間とはなにか』
トランスヒューマニズムに興味を覚えているなら、まあ読まねばなるまいと思って例によってamazonで購入。邦訳は1950年代の本。
人間機械論や優生学などを皮切りに、正直言って特に真新しい主張は書いてないという印象。しかしそれは逆に言えばこの人が60年も昔に言ってたことが今日21世紀で自分達が抱いてる命とは何かという通念に、(少なくとも議論の対象になり得る命題に)すっぽり収まってしまっていると言う証左でもある。
この間の六十年というのはまたこの前紹介させてもらった、ガイア教の天使クジラの中でも言及されてる通り、下手な中近代の数世紀よりも、技術面でも思想面でも激烈な変化が存在してる訳でその隔絶の重さは並のものではない。そのブランクを通じてまで届く予言をやってのけたこの人は相応の評価を受けていいのではないかと思う。