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SikabaneWorksが関係するコンテンツ(主に*band系ローグライク)の開発近況・補足から全く個人的な雑記まで。

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2010/06/19

[ファンタジー]トールキン世界の暗黒語(BlackSpeech)について備忘

『くらやみの国』の社会的実態とか」と何となく絡む話よりさらに派生する話題である。前回に「トールキンの善悪二元観の不均衡性が最も顕著になっているのが、御大が何より大事にしていた言語である」と主張したが、そこの具体例を語りたい。

History of Middle Earthなどい一時資料が手元にあれば最も強力な考察の材料になるはずだが、残念ながら当分購入も読破もできそうにないので、現状はネット上の情報に依存しておく。

指輪本編上で何よりも有名な暗黒語の下りと言えば、一つの指輪そのものに刻まれた例のアレである。

The only example given of "pure" Black Speech is theinscription upon the One Ring:

Ash nazg durbatuluk, ash nazg gimbatul,
ash nazg thrakatuluk, agh burzum-ishi krimpatul.
When translated into English, these words form the lines:

One Ring to rule them all, One Ring to find them,
One Ring to bring them all, and in the darkness bind them.

英語版WikipediaのBlackSpeechの項より。一部uのサーカムフレックスになってる所があるが勘弁。

海向こうで当該記事を作成しチェックしてくれた方々が、トールキンの各種資料を念入りにチェックしてくれている事を前提とするに、完全な文章として成り立つ暗黒語のサンプルは結局これ一つだけであるらしい。具体的に文の要素を英語と比して対応しようとしてくれているが、これに検証可能性のツッコミがかかっている所を見ると、それらを追求するだけの資料もないようだ。

しかもこの文章はエルフのテングワールで書かれていて、暗黒語独自の文字は全く明かされていない設定である。作中では暗黒語は指輪の細工として刻むには向いていないからだろうと推察されているが、逆に向かない文字とはどんな物なのかと思うと、もっともらしいメタな言い訳であると、いぶかしまざるを得ない。

そもそもトールキンは明確な意図で暗黒語をできそこないの言語として扱っていたらしい下りが、トールキンの書簡を根拠としたその前の項目にある。

Having designed the Black Speech to be unpleasant, J. R. R.
Tolkien did not enjoy writing in it (according to Tolkien,
he once received a goblet from a fan with the Ring inscription
on it in Black Speech, and, finding it distasteful, used it
only as an ashtray).As a result, the Black Speech is one
of the more fragmentary languages in the novels. The forces of
good refuse to utter it, as it attracts the attention of the
Eye of Sauron. Unlike Elvish, there are no poems or songs
written in it (apart from the Ring's inscription).

グラスを送ってくれたファンにとってはさんざんなことかも知れない。別に暗黒語が好きで送ってくれた訳とも限らないであろうし。口にする事自体で(単純にサウロン自身が作り親しんだ言語であるからか、言語そのものに魔力があるかは解釈によるが)サウロンの注意を引くから、せいぜいどうしても各種の要素に必要な時、断片的にしか使うべきでない。それは我々読者としても同じだぞと言うことか。

しからば、暗黒語に様々な視点から興味深々な自分は既にサウロンの術中に陥った可哀相なお友達ということになる。平気さ、海向こうにも同じくサウロンに魂を囚われた可哀相なお友達はたくさんいらっしゃるらしいし。

[D'angband/開発]変愚蛮怒バリアント計画2

勢いでマップをちょっと大きめにしたり、西端にアマンを作ってみた。最早至福の地も@の魔手から逃れられないのだ。設定は森と山、それに天界のあいの仔のような構成で63〜100F。ダンジョンのボスはマンウェ=スーリモか、エル=イルーヴァタール御本人に登場願おうか。ともかく善良関係は様々な修正が要りそうだ。

アマン1 アマン2