2009/07/09
■ [UNIX]MinGW使ってみたが
Cygwinと一緒に仕事で使い始めてますが、どうもデフォルトのコンパイラオプションでも違うのかライブラリの揃い具合が違うのか、Cygwinのgccで通るコンパイルが通らなかったり。ともかく検証中。
■ [ゲーム紹介]Battle for Wesnoth
昨年秋位から知った海外のフリーSLG。半端物しか作れていない自分には、もう脱帽する他ございません。システムソフトのマスターオブモンスターズシリーズの簡略版だと言われていますが、シャレにならない完成度です。
良くも悪しくも攻撃命中処理にかなりの癖があり(命中率30〜80%の交互複数回攻撃)攻撃側も防御側も当るか外れるかの博打でビクビクする仕組みになってます。これが対人戦だとたまらなくスリルな不確定要素になりますが、シングルプレイのキャンペーンだとストレスの元。特に難易度を上げると余程熟練していない限りリロードorリトライを繰り返す羽目になりがちでした。
特に勘弁して欲しかったのは某キャンペーンの隠密ステージ。一発でしとめれないとほぼアウトな局面がいくつもあるのに、運に賭ける他ないのはちょっときつい。
それにしてもゲームそのものもさることながら、それを支えている開発陣とコミュニティの規模のでかさと活発さも凄い。マルチプラットホーム&多言語対応(日本語翻訳は非常に人手不足のようですが)で、今でも次々アドオン式でキャンペーンシナリオや、対戦マップ、ユニット構成が追加されていってます。ああ‥爪の垢でもおくれ。
2009/07/10
■ [C#]XNA日本語版ライブラリ更新
http://www.4gamer.net/games/032/G003263/20090709047/
XNAで作りかけた、半年以上放置の作戦級SLGをどうしようかと思案中。
■ [ファンタジー]『くらやみの国』の社会的実態とか
2chSF板の過去ログ http://lotrkanrinin.run.buttobi.net/sonotakakosure-s/sfhon57.htmの413以降辺りから
前半は、トールキン教授がまず言語からアルダ世界の創造に入った事は当然の前提として、そこからどういう指向で肉付けをしていったかに関する議論。 後半は、その流れを引き継ぎ、指輪物語中でも最も社会的描写が少なかったモルドールはどんな運営をしていただろうかを想像し合っている様子。
教授の現役時代の研究は主立ってヨーロッパ諸神話の叙事詩が中心で、それが創作の原点になっている以上、社会制度に関しては二の次と言うか、古代部族社会がエルフの目覚め以来数千年〜数万年もの間、どこの種族にも淡々と続いているといった所が妥当ではあると思われる。(そんな中にやや強制的に近現代イギリスの牧歌的風景を突っ込んだホビットは例外として)
となるとモルドールはアルダの世界地図や陣営関係が、半ば暗黙に示しているところもあいまって、古代アッシリアやその統治的遺産を受け継いだペルシャとかその辺を妄想したくなる。サウロンやナズグル達を頂点にした中央集権体制。指輪物語終盤の軍勢の規模とか考えてもやはりそう行き着く。
ファンタジーな世界である以上、「サウロンが神秘的な力でモルドールの民全てを洗脳していた」で片付けるのが当然かも知れない。しかし歴オタでもある自分としては、少なくとも支配体制とかその辺について、モルドールは西よりも先進的であった上で、サウロンのカリスマがかかって指輪の描写の如く強力だったと思いたい。少なくとも神権的支配者であった、サウロン不在の約900年間、ナズグルだけでゴンドールを脅かす位に統治しきってた訳で、これはかなりきちんとした官僚機構とかあったと考えた方がしっくりくる。
オークは創造力に欠けるだけで知能は低くなく、ナズグルも無意識的なレベルでサウロンに逆らえないだけで、その出自は(ICE設定が大半になるが)元は名立たる王族達ですぜ。むしろ下手に芸術とかに色気出さないだけさぞかし実利的な制度を作り上げていたのではあるまいか。奴隷?圧制?古代社会に人権なんて言葉はない。それなりの秩序(善ではなかろう、ね)をこれだけ長く存続させてるだけで十分に先進国です。
東夷やひょっとしたらアヴァリ辺りとまで交易やっててしこたま富を溜め込んでいたりとか、ともかく妄想が尽きませぬ。
434 :名無しは無慈悲な夜の女王[sage]:2008/08/23(土) 10:35:28 まあ、オークが腹減るたびに共食いしてたらエネルギー収支が すぐ合わなくなるとか、そもそも何も作らない種族は すぐ滅びるんじゃないかとか、悪にも政府と秩序は必要だろうとか アングマールの魔王も書類積んで条例作って陳情聞いてたんだろうとか そういう無粋なつっこみはやめておいた方がいいね。 そこまで考えたら負けなんだよ。 この世界では悪はカオスで何も作る力はない。それでいいじゃない。 ガンダム世界で設定考察をやりすぎて「大体モビルスーツなんて 要らないんじゃね?」と考えてしまうのと同じレベルだと思う。 ロジックとしては説得力があるんだけど、それを認めると その世界の魅力の全否定につながるから、生産的な考え方じゃない。 435 :名無しは無慈悲な夜の女王[sage]:2008/08/23(土) 20:21:51 一番細かく考えてツッコミ入れてるのが>>434な件
アルダには創造主イルーヴァタールの意図した構造があり、ガンダムにはミノフスキー粒子がある前提の上での話だから、全否定にはならずに済むと思っております。昔「ギレンの野望」の攻略本に付録してた漫画にその辺の細かい設定が乗ってたのを見て、思わずニヤリとしたもんですね。
ハイ・ファンタジーの出来ってのはそういう前提があった上で虚構の世界をどれだけ生々しく描写できるかにかかっていると思う今日この頃。
2009/07/21
2009/07/22
■ [自然言語]コーカサス諸語に(創作的な意味で)欲情する日々
「軍事板常見問題&良レス回収機構」/中央アジア・コーカサスFAQ
昨年、北京オリンピックでロシアの鬼(プーチン)の居ぬ間に乗じようとした所がフルボッコされたグルジア。元よりあの周辺地域コーカサス地方は紀元前から複雑怪奇の極みであり、歴オタのリビドーを全開させる要素満載のステキな場所だと思っております。
その最たるものの一つが言語でしょう。語族的に一括りにされているインド=ヨーロッパ語族が、実際には色々隔たっている件について、コーカサス諸語がその橋渡しや変遷の過程として一枚噛んでいるという話を、その道の人から伺ったことがあります。自分はまだ言語学的アプローチの基礎すら分からぬ未熟者ですが、少しでもかじってみるとそれだけで目に見える世界が広がりそうです。
何より、グルジア文字の(向こうの人にとっては依然日常文字なので失礼でしょうが)どことない魔術的意匠がたまりません。
トールキン御大があくまでラテン系、北欧系から培った独自言語を作り、その枠組みの中で創造したアルダの世界観は、またそれらを口にする側(エルフ、ドワーフ)が優越した社会に描かれ、一方、オークなどが扱う暗黒語は大した考証もされず、言語も話し手もひどくぞんざいに扱われているのは否めないと思います。
ならば、アルダ世界でどことなく「そういう世界」に暗示されてきたコーカサス系やスラヴ系を元に独自文字を作り、そこから世界観や神話を作ったりすると、アルダ世界に対する面白いアンチテーゼになるのではないかと思っているのですが‥問題はそこまでできる人が自分含めてどれだけいるかと言うことです。専門だったとは言え、創作でそこまでやってのけたトールキン御大はやはり偉大なのでしょう。orz
2009/07/23
■ [Haskell]適当にHaskellをいじる
クイックソートとマージソート
qsort :: [Int] -> [Int] qsort [] = [] qsort (x:xs) = qsort [l | l <- xs, l < x] ++ [x] ++ qsort [l | l <- xs, l >= x] -- merge :: [Int] -> [Int] -> [Int] merge [] [] = [] merge x [] = x merge [] y = y merge (x:xs) (y:ys) = if x >= y then x: merge xs (y:ys) else y: merge (x:xs) ys -- msort :: [Int] -> [Int] msort [] = [] msort [x] = [x] msort l = msort' $ splitAt (div (length l) 2) l where msort' ([a],[b]) = merge [a] [b] msort' ( a ,[b]) = merge (msort a) [b] msort' ( a , b ) = merge (msort a) (msort b) -- main = do putStrLn $ show $ qsort [13, 3, 5, 1, 5, 19, 67, 4, 19] putStrLn $ show $ qsort [15, 18 ,3, -4, 10, 67, 19 ,11]
2009/07/24
■ [歴史]レオナルド・ダ・ビンチが万能人たりえた由縁
と言うのは、テクノロジーとアートだけでなく、マネジメントのエキスパートでもあった事なのだろうと最近になってようやく気づけた。
あの混乱に満ちたイタリア半島で、私生児という当時のキリスト教圏では致命的にもなりかねないハンデを背負いながら、ヴェロッキオの工房で才能を発揮し、イル・モーロの臣下の身から社会的地位をスタート。彼の没落後には出奔して、諸都市を放浪、チェーザレ・ボルジア、フィレンツェ、ミラノのスフォルツァ家と主を変えて、最後にはフランス王の下で、年金を貰いながら(恐らく御用人だったとは言え)自適に過ごしてそこで一生を終えた。その間に友好を結んだ相手といえば、イタリアルネサンス期の名立たる英雄や、同業者ばかり。 これらの道程の中で弟子や従者も充実していて、少なくとも明確に困窮していたらしい時期はほぼないようだ。
あれですよ、日本の戦国時代で言うなら細川幽斎や藤堂高虎並の世渡りぶりですよ。どんだけ〜
2009/07/26
■ [ファンタジー]「読んだ事ないSF/ファンタジー/ホラーを勝手に推測するスレ」にて
51 名前:エルリックサーガ 投稿日:2004/04/27(火) 08:51 ヴァンパイアDみたいな超絶美形の細身主人公が、 ひたすらおのれの最強さと非情さに悩みながら敵をばったばったと切り伏せてゆく。 もちろんすぐ死ぬザコ敵と凌辱される美女たちも出てくる。 特に話のオチはなく、上のような展開がダラダラと何巻も繰り返される。 (表紙からの印象) 69 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2004/04/27(火) 16:25 >>51 大体合ってるゾ! 72 名前:名無しは無慈悲な夜の女王 投稿日:2004/04/27(火) 16:52 >>69 大体っつーか、そのものだな。>>51よ、お前はもうエルリック読む必要無いぞ。
おおよそぶっ飛んで的外れな予想を楽しむことが目的とされる中で、この的中率。これも全て天野絵の成せる技ではないかと思う。
2009/07/30
■ [歴史]学術が際どいところで進歩する例
- ※2009/12/10誤字修正
- ※2012/11/14文章修正
お題はフーリエとナポレオンのエジプト遠征。大学の数学の復習をするやら、長谷川先生のナポレオン〜獅子の時代〜を読んで、それに関連する資料も読み直しながらやらで、気づいた話であります。
大学の理系学部を通るには避けて通れぬフーリエ解析。その原点を著書『熱の解析的理論』の中、数学的要請から編み出したジョゼフ・フーリエ氏は、激動のフランス革命期を生き抜いた人でした。この人は当時の混乱もあって士官学校や修道院を転々とし、政治的弾圧の被害者になったこともありましたが、結果的には才能を認められ、高等師範学校を通ったエリートとして、ナポレオンのエジプト遠征に加わりました。
ナポレオンのエジプト遠征、これが非常にきわどい彼の大博打の一つであったことは知る人ぞ知る話。海路ではあのネルソンに付け狙われ、陸戦では泥沼の戦いを繰り広げて計画の大半は頓挫。フランス本国に内乱の兆しがあったからこそ、彼はこれらのズタボロの戦いを無かったことにして、晴れて英雄として帰還できました。
この状況下で随行した学者達はロゼッタ・ストーンの発見を主として、様々な成果を上げて生還を果たしましたが、とにかくも彼等の学者魂には脱帽する他ありません。下手をすると、地中海航路の時点でネルソンに軒並み海の底へ沈められた可能性もあるのだから、ナポレオン共々強運であったとも言えます。
そんな学者団の一人として生還できたジョゼフ・フーリエは、数年後に政治家としても手腕を発揮しながらフーリエ解析(当時はまだ不完全だった訳ですが)を熱解析のついでに確立したのでした。おそらく当時はこれが今後、どれほどの学術的発展を果たすのか当人も気づかぬままだったでしょう。
さて、この時フーリエがネルソンの砲撃に船を吹っ飛ばされ、海の底に沈んでいたら、フーリエ解析に一定の基盤を置いた学術や技術はどうなっていたのか。ある一人の人物が発見するはずだった理論がその人の死によって無効になった時、それの埋め合わせを他の学者が多かれ少なかれするものだとも言われています。
しかし実のところ、当時のフランスの学術レベルはブルボン王朝が巨費を投じて設立したアカデミーのおかげで他国より頭一つ抜けていました。フーリエに限らず、それら珠玉の集まりだった学者達が海の藻屑と化していたら、果たして他国で埋め合わせがついていたでしょうか?
正直ぞっとする話だな、と思う訳です。